葛西 侑也選手 (大垣日大)
寸評
2010年のセンバツ甲子園でも活躍した技巧派左腕。 全身が柔らかく、グンニャリとしたフォームが特徴的。腕が肩のラインより下から出てくるようにも見えるが、サイドスローというよりは、スリークォーターに近い。その角度たるや、見れば見るほど独特なのだ。当然肩も柔らかく、テークバックで腕が背中側に深く入る。それゆえ球を隠せるから、打者にとっては球の出どころが非常に見にくい。このフォーム、1年秋は若干の無理やり感もあったが、冬~センバツ甲子園を超えて、2年春には実にスムーズに腕が振れるようになっていた。体にフィットした腕の振りで、気分良く投げられている。 コントロールの良さは周知のとおり。ボールを低目に集めて凡打の山を築いていく。 精神的にもシーズンを重ねるごとに成長している。秋季県大会から東海大会、神宮大会までをほぼ一人で投げ抜いた1年秋は「初々しさ」が前面に出ていたが、最近はピッチングの中に「確信」が見て取れる。2年夏は県大会準決勝で県岐阜商に惜敗したものの、26イニングスを投げて2失点と、相変わらず安定した投球を展開。技術だけでなく、ハートがしっかりしているからこそ成せる業(わざ)だ。 持ち球はカーブ、スライダー、シュート。横に流れるスライダーもいいが、カーブで投球の幅が広がった。2年夏の時点で最速136キロのストレートは、左打者の外角低目に決まれば空振り三振を奪える。
更新日時:2010.09.07
将来の可能性
1年秋にブレイクして以来、次戦が大垣日大と決まった対戦校が「よし、なんとか葛西を攻略だ!」と意気込んでくるのに、そんな相手をことごとくクレバーに封じてきた。相手打線を抑えることに関しては、東海地区でもトップクラスだ。球速が130キロ台の「変則左腕」が高卒即プロというのはあまり前例がなく考えづらいが、同地区・同年代をリードする存在であることは間違いなく、大学~社会人でも点を与えないピッチングを続けていけば、将来は「即戦力」としてプロ入りだってありうる。
更新日時:2010.09.07
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