歳内 宏明選手 (聖光学院)
短評
(観戦レポートより抜粋 2010年09月26日) 11奪三振完封勝利を挙げた歳内宏明。二塁さえも踏ませない圧巻の投球であった。 その歳内、甲子園での投球から変化が見られた。甲子園では140キロのストレートとスプリット中心の投球だったが、今日はストレート、スプリット、スライダー、カーブを投げ分けるスタイルにモデルチェンジ。 これにより投球の幅が大きく広がった。投球パターンを分けていくと パターン1: ストレートとスプリットで三振を奪う配球 パターン2: ストレート中心で追い込み、スライダーで目先を変えて打ち取る配球 パターン3: カーブを織り交ぜる緩急をつけた投球 甲子園ではパターン1が7割、パターン2が3割であったが、今日はパターン1が5割、パターン2が4割、パターン3が1割に変えていた。 甲子園の投球も実戦的な投球を見せていたが、更に投球の幅を広げ、凄みが増していった印象がある。高校生としては超実戦的な投球で存在感を示した。 この投球に聖光学院の斎藤智也監督も「甲子園ほどの躍動感は感じませんが、その代わり、彼は県大会で力を抜く投球を覚えましたね。スプリットに頼らなくなったのは大きいです。」 歳内の変化に手ごたえを感じていた。 これには歳内自身も「今までは漠然と投げていた感じがありましたが、今は相手打者が何を狙っているのか考えて投球をしています」と、相手を見ながらの投球に自信を深めている。 また、「元々、緊張することがない」という性格だが、「甲子園で投げたことで前より余裕を持って投げられている」とメンタル面でも進化も見逃せないところだろう。 最後に。甲子園での快投で大きく注目されたが、それについてはどう思っているか。 「それは別に気にしていないです。注目されることで抑えることができるのですか? 自分はできることを最大限にやるだけです」 と言い切った。注目されることに天狗になっている様子もないし、苦痛にも思っていない。 この男は更に大きくなりそうだ。
更新日時:2010.09.28