前田 克樹選手 (明徳義塾)

寸評

背番号「６」ながら甲子園2試合(8/10、8/15)に先発登板した本格派右腕。腰周り、太ももががっしりしており、肩幅の大きさを見るととても178センチとは思えない大ききを感じる。もちろんがっしりした体格から投げ込む直球は威力抜群。並みの投手に比べて馬力が違う。コントロールも安定しており、筋はかなり良く、大学以降のブレイクを期待したい投手である。 （投球スタイル） ストレート　マックス　140キロ 常時135キロ~140キロ スライダー　１２０キロ前後 右オーバーから投げ込む直球は常時130キロ～135キロ（マックス139キロ）。速球の威力は中々なものがあり、並みの投手が投げる130キロ台と比べると威力が違う、馬力が違う。変化球は120キロ前後のスライダーを投げ込む。右打者、左打者問わず両サイドにしっかり投げ分ける制球力はあり、左打者に対してはインコースへ堂々と投げ込む度胸・制球力は確かなものがある。ただ現状、武器になるのはスライダーしかなく、やや引き出しが少ない印象は否めない。 （打者の攻め） ・右打者 右打者に対しては両サイドに速球を投げ分けていくスタイル。スライダーもアウトコースにしっかりとコントロールできている。少ない球種でも両サイド・低めにしっかりコントロールできているので、大崩しない投球ができている。 ・左打者 左打者に対しては両サイドに投げ分ける制球力はあるが、どちらかというとインコースを多用する投手。彼はアウトステップするので、インコースのストレートが生きてくる。 (クイックタイム) クイックタイムは1.1秒～1.2秒台ぐらい。牽制も結構入れてくる。フィールディングも元々内野手ということもあって、フットワークが良く、身のこなしも良いし、捕球してからのターンが軽快で無駄がない。 (投球フォーム) ワインドアップから堂々と振りかぶり、ゆったりと左足を上げていき、ショート方向に足を伸ばして、アウトステップしていく。そのため左肩の開きが早くなり、出所が見づらくなっている。下半身が先行して落ちているし、軸足に体重を乗せることができているので、下半身主導のフォームができている。腕の振りも良く、肘も使えるので、球持ちも良い。ステップは気になるが、荒そうなフォームに見えて、なかなかまとまったフォームをしている投手である。

将来の可能性

ショート兼任ではあるが、投手としての筋は良く、投球以外の技術も実に鍛えられており、将来性は断然、投手だろう。引き出しは少なく、1試合任せられる安定感とスタミナはまだないが、本格的に投手に専念すれば、見違えるような成長を見せるような投手であろう。ぜひ上のステージで台頭してくれることを期待したい。