野田 昇吾選手 (鹿児島実)

野田 昇吾

球歴:鹿児島実

都道府県:鹿児島

ポジション:外野手, 投手

投打:左 / 左

身長:167.0 cm

体重:64.0 kg

学年:卒業

寸評

鹿児島実のエース野田 昇吾。小柄な体を一杯に使った投球フォームから切れのある直球と縦に大きく割れるカーブを武器にする本格派左腕である。甲子園では実に勢いのあるボールを投げていたが、甲子園九州大会の勤続疲労の影響か、スピードは落ちていたものの、投球術の上手さで神宮大会決勝(2010年11月18日)まで勝ち進んだ。 この男の凄さは修正能力の高さとタフネスさだ。九州大会序盤では不調だったものの、ワインドアップに切り替えて見違えるような好投を見せ、2試合連続1失点完投勝利。続く神宮大会では初戦(神宮大会">2010年11月15日)は9四死球と大荒れしたが、大垣日大戦(2010年11月16日)では4四死球1失点完投。そして決勝の日大三戦(2010年11月18日)では4失点したものの、138キロをマークし、復調した姿を見せた。来年はドラフト候補と呼べる実力を示すことができるのだろうか。 (投球スタイル) ストレート マックス138キロ  常時 125キロ~135キロ スライダー 115キロ前後 カーブ 90キロ前後 チェンジアップ 115キロ前後 勢いのあるストレートを投げていた甲子園と比べると明らかに勢いがない。常時120キロ台でがっかりさせられたが、不思議なことに投げるたびにこの投手は良くなってきている。決勝戦では常時130キロ台・マックス138キロを計測。それでも甲子園のボール変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。3球種ともにキレは良く、特にチェンジアップは手元でシンカー気味に落ちるので、非常に良い球種だ。ストレートと変化球の使い分けが上手くなり、以前より幅広い投球ができるようになった。 (クイックタイム・フィールディング) クイックタイムは1.2秒~1.3秒前後でまずまずのタイム。牽制もそれなりに上手く、フィールディングの動き自体も悪くない。 (打者への攻め) ・右打者 外角中心に変化球中心に攻める配球。ストレートが走らないため変化球でタイミングを外しながら抑えている。神宮大会ではボールがばらつくことが多かったものの、ウイニングショットでチェンジアップを投げて三振を取ってようにしっかりと投球を組み立てている。 ・左打者 左打者には外角中心にストレート、スライダー、カーブを織り交ぜる配球。スライダー、カーブを散らせながら、要所で切れのあるストレートを投げ込んで見逃し三振を奪う投球を見せる。 (投球フォーム) ワインドアップから入る。右足を勢いよく上げる。右足を二塁方向に送り込んで膝の関節を伸ばし、捻転動作を維持し、踵から着地していく。右腕のグラブを斜めに伸ばして開きを抑えていき、ややテークバックを大きめに取って振り出していく。真っ向から振り下ろすオーバーハンドなため、ボールには縦回転がかかっており、尚且つタメが効いた投球フォームなため、縦割れのカーブを投げることができている。小さな体をいっぱいに使った投球フォーム。このフォームで投げ続けることができているのは強靭な足腰があるから。彼の体つきを見れば分かるが、お尻が大きく、腰周りががっしりしており、相当走りこんでいるのが伺える。大垣日大戦後、彼に話を伺うと、明徳義塾戦を終えた後に、パンツがびっしょりになるまで走りこんでいた。1試合完投しながら、走りこんで、連投で完投できてしまうのだから、スタミナはかなりのものだ。疲労が溜まる中で、徐々に安定感を出るタイプだから、中々厄介な投手だ。
更新日時:2010.12.24

将来の可能性

甲子園の投球に比べると球の勢い自体は落ちていたが、投球自体は上手くなってきている。ただ小柄な体をいっぱいに使う投球フォームは相当負担がかかる。鹿児島予選九州大会神宮大会をほぼ一人で投げ抜いてきただけにその疲労度は尋常じゃないだろう。まずはしっかりと体のケアに努め、来年の選抜へ調整を図ってほしい。 彼は打撃センスも高いし、走塁も上手く、大垣日大戦では彼の俊足を期待して、宮下正一監督がグラウンドコートを脱がしたほどだ。来年は投手・野田だけではなく、野手・野田も見ていきたいと思う。
更新日時:2010.12.24

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