目代 新選手 (南陽工)

目代 新

球歴:南陽工

都道府県:山口

ポジション:遊擊手

投打:右 / 左

身長:180.0 cm

体重:76.0 kg

学年:卒業

寸評

南陽工業が誇る大型ショート。抜群のバットコントロールと強肩を活かしたショート守備に惹かれるものがあった。攻守の総合力は高いが、何より目を惹いたのが体の強さ。センスもある選手だが、プレーの随所に体の強さを感じられるプレーヤーだ。個人的には掘り出し物として評価しており、プロ志望届けを出せば下位指名辺りの指名が期待できるプレーヤーではないだろうか。 (打撃) スタンスはオープンスタンス。グリップはやや高めに置いて捕手側方向に引いていくスタイル。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、足を小さく上げてややインステップ気味に踏み出すことができている。グリップは深くとっていき、やや内側に入りすぎているのが気になる。それでもヘッドは内側から出すことはできており、振り出しは悪くない。的確にボールを捉えることができており、踏み込んだ右足の膝が開かず抑えることができており、軸足は綺麗に回転することができており、頭の位置が動かず目線のブレも少ない。打撃の形はかなり良い。中京大中京戦(10/08/09 甲子園大会)では第1打席に外角のスライダーをしっかり叩いてライト前ヒット。2打席目はインローの直球を技ありのレフト前ヒット。このレフト前ヒットには思わず唸らされた。インローの直球を流し打つのはよほどセンスのある打者ではないと打ち返せない。第1打席では彼の力強さを感じ、第2打席では彼の巧さを感じた。そして彼の打撃をさらに探るために山口大会の決勝戦(防府戦 7月27日)の模様を見た。ヒットは1本に終わったが、打撃の形が良いという印象は変わりなかった。 打順は3,4番に座っているが、本質的にアベレージヒッター。現状は金属バットと体の強さで強い打球を生み出すタイプではないだろうか。基礎がしっかりしているので、トップの位置を一定にしてしっかり振り出せるスイングを積み重ねていけば、木製バットに順応できるプレーヤーではないだろうか。 (守備) 守備範囲が広い選手だが、何よりも足腰の強さと地肩の強さが素晴らしいプレーヤー。中京大中京戦ではやや深い当たりを逆シングルで捕球し、踏ん張って送球。送球が逸れずにダイレクトで送球ができていた。このプレーは地肩の強さと足腰の強さがないとできないプレーだが、普段のノックから積み重ねてきたプレーだろう。華やかさはない。しかし彼の守備は明らかに厳しい鍛錬の下で築き上げたもので、彼の守備から体の強さを感じた。体が強い。これはプロでやっていくには大事な資質の一つだ。ただ1試合だけではサンプルが足りないということで防府戦の試合を見た。この試合では多くの守備機会があり、前の打球、横の打球を処理していたが、腰をしっかりと落として、捕球。そして送球。一つ、一つの動きが基本忠実。ポテンシャルの高さに頼った荒っぽいプレーをする選手ではなく、指導力の高い指導者の下で鍛えれば、プロでも内野を守れる選手に成長することは間違いないだろう。 (走塁) 塁間タイムは4.05秒前後を計測。中々の俊足であり、左打者の基準である4.20秒を満たしている。ただ山口大会では盗塁が僅か1個と積極的に走れる選手ではないようだ。ただベースランニングが上手い選手である。
更新日時:2010.08.25

将来の可能性

攻守ともに総合力が高い選手で、十分にドラフト候補と呼べる選手であると思う。しかし高校生で総合力の高い選手はプロでは平均的で、売りがない選手と属される。だから高卒でプロに行くと埋もれてしまうタイプになるのではないかという不安はある。この選手の良さは身体能力の高さと体の強さに頼った荒々しいプレーはせず、基本忠実にプレーしているところである。いかにも猛練習を積んできた選手のようで、プロにとっては実に鍛えがいのある選手。こういう選手が3年間、下積みを重ねていけば、一軍での活躍も期待できる選手ではないだろうか。目指すタイプはやはりアベレージヒッターということになるだろう。 もちろん大学に進んでワンクッションを置く選択肢もある。きっちりとした環境でやっていけばこの選手は必ず伸びていく選手ではないだろうか。ぜひ次のステージで活躍してもらいたい逸材である。
更新日時:2010.08.25

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