藤岡 雅俊選手 (桐蔭学園)

寸評

春季大会ではマックス143キロをマークし、各校のライバル校に注目を浴びた速球派投手。それ以降もリリーフという立場で起用されてきた。そして彼の成長を生で見たいということで神奈川まで足を運んだ。平塚学園戦では5回途中から登板し、2イニング三分の２を投げて四死球２被安打１失点１と成績としてはまずまずだが、内容は最悪であった。肘は下がったことでストレートのスピードは落ちてしまいマックスは137キロ。腕の振りが鈍ってしまい、キレのあるスライダー、カーブも影を潜めてしまった。そしてコントロールも悪化させてしまった。 彼の良さは上から強く腕が振れることだ。それによって縦回転がかかったストレートを投げ込むことができており、130キロ台後半でも伸びのあるストレートを投げ込むことができていたのだ。だが、今の彼は完全にサイドスローの体の使い方に変わっていた。それだったら思い切って完全にサイドスローにすればいいのだが、腕の振りも中途半端で、回転も不十分。中途半端なフォームが球速、コントロール、変化球のキレを失ってしまう結果となった。ただこのフォームになって間もないと思うので、これからしっかりとフォームを固めていけば、サイドスローでも140キロは期待できる。個人的にはオーバースローに戻してほしいと思っているが、どちらを選択するかは本人次第。ぜひ来年には躍動感のある投球が復活することを期待したい。