高井 ジュリアン選手 (東海大三)
寸評
それほど体は大きくないのですが、すでにMAX139キロのストレートと鋭いスライダーとのコンビネーションで、まとまりのある投球を実現。選抜の広島新庄戦(2014年03月25日)では、5回を8安打3失点と満足のゆく内容ではなかった。しかし初の全国の舞台を経験し、今後の糧になったことは間違いない。 (第一印象) けして球威・球速でねじ伏せるタイプではありませんが、すでに140キロ近いボールを投げ込みます。秋口には140キロ台を期待できますし、来春には140キロ台中盤ぐらいまで出せるようになるかもしれません。 (投球内容) 重心を深く沈ませるフォームから、ストレートは常時135~後半。少しボールがシュート回転したりして、綺麗な真っ直ぐというよりは少しクセ球です。なんと言っても最大の武器は、横滑りするスライダーのキレ。投球の核は、ストレートではなくこのスライダーの活かし方。更に緩いカーブやチェンジアップのような球も使っており、結構多彩だと言えるでしょう。特に打者の内角を厳しく突いて、勝負は外へのストレートというパターンが目立ちます。ストレートは暴れますが、適度に内外角を投げ分けられるコントロールがあります。またクィックも1.0秒を切るような高速クィックで、走者を塁上に釘づけにできます。 <長所> お尻を一塁側に落とせるフォームのため、体を捻り出すスペースが確保出来ています。更に「着地」までも足を上手く逃がせており、体を捻り出すスペースを確保しています。将来的にもいろいろな球種で、投球の幅をどんどん広げて行けそう。 <課題> アウトステップがキツイフォームなので、ボールの出処が見やすく「開き」の早いフォームになっています。「開き」が早いと、球筋をいち早く読まれコースを突いた球でも打たれてしまうケースが目立ちます。 下半身が使えるフォームにしては、足の甲での地面への押し付けが浅く、浮き上がろうとする上体の力を抑えきれていません。こうなると、ボールは高めに抜けやすくなります。
更新日時:2014.06.04
将来の可能性
この時期の2年生にしては、ボールの威力・投球のまとまりも水準以上のものがあります。今後体の成長・筋力の増加次第でピッチングスタイルも変わって来るかもしれませんが、今の投球のバランスを維持しつつ、パワーアップできることが理想的ではないのでしょうか。投球フォームにはまだまだ課題も多いのですが、じっくりと時間をかけて一つ一つ改善して行って欲しいですね。将来は、大学のみならずその先も見据えた投手になれるかもしれません。
更新日時:2014.06.04