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松平 快聖(市原中央)

都道府県:
高校:
学年:
2023 年卒
ポジション:
投手
投打:
右/右
球速:
130 km
身長:
191 cm
体重:
83 kg
データ最終更新日:2021年12月29日

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寸評

試合レポートから抜粋
密かに注目を浴びていた逸材は日増しに注目度が高まっている。

 それが市原中央の191センチのサブマリン・松平 快聖だ。
 3試合で19回を投げて、19奪三振、3失点、防御率1.89と抜群の安定感を誇る。対する拓大紅陵は、好投手・伊東 賢生千葉黎明)を攻略して勝ち上がっており、チーム打率は準々決勝を終えて.353とその打線の実力は県内随一だ。そんな相手にも快投を見せた。

 191センチ83キロと恵まれた体格を誇る松平。この試合で初めて松平の存在について覚えた方に説明すると、これほど体躯を持つ松平がアンダースローとなったのは、市原シニア時代のこと。オーバーでは制球が定まらず、腰が横回転気味だったこと、チームに変則投手がいない事情から現在の投法となった。

 では実際に投球はどうなのか。アンダースローのため球速は下がるが、それでもストレートは120キロ〜126キロを計測。最速130キロという触れ込みだが、前評判通りのストレートを投げ込んでくれた。

 高校生の右下手としてはかなり速く、だいたい110キロ〜115キロで、よくて120キロ。常時120キロ中盤を叩き出すサブマリンはあまりいない。体感速度的には140キロ前後はありそうで、拓大紅陵の打者がことごとく差し込まれているのだ。拓大紅陵の3番・中村 瑠斗は「本当に伸びていきます。あと190センチなのに、あんな低いところからリリースされるので、本当に打ちにくいです」

 松平はいかにコーナーで勝負するか求める。右打者へ外角いっぱいにストレート、100キロ台のスライダーを投げる。これがギリギリに決まるのだ。さらに中村はこう続ける。
 「外角ギリギリに決まるのですが、遠く感じるのでバットがなかなか出てこないんです…」

 さらにストレートを速く見せているのは80キロ〜90キロ台のカーブ。これが厄介で、鋭角な曲がりを見せるわけではないのだが、少し浮きながら曲がっていく。これが想像以上に打ちにくい。打者が想像できにくい、対応しにくい軌道なのだ。近年、プロ野球の投手が抜け気味のカットボール、スライダーを使って三振を奪う「抜けカット」と同じ使い方だと思っていいだろう。

 初回も満塁のピンチを連続三振に奪い、切り抜ける。松平自身、変化球の使い分けについてこう語る。
 「自分は変化球を投げるときに、下から上に浮き上がるような軌道で投げることをイメージしています。抜けたように見えますが、自分として意図通りの軌道です」

 2回裏、市原中央は相手のエラーから1点を先制。その後も松平は快調な投球。フルスイングを許さない。対戦相手の拓大紅陵の和田 孝志監督は元千葉ロッテの投手として活躍していたが、「松平くんは本当に素晴らしい投手。190センチのサブマリンはなかなかいないですし、どのステップに進むかはわかりませんが、プロを狙える投手だと思います」と高く評価する。松平の素晴らしさを知っているからこそ、「完封負けを覚悟しました。練習試合もやっていますが、打てなかったですから。やはり良い投手でした」

 7回まで8奪三振の快投を見せていたが、拓大紅陵がついにチャンスを作る。8回、四球、バント安打で無死一、二塁のチャンスを作り、一死二、三塁とチャンスを広げ、ここで拓大紅陵は3番・中村 瑠斗を迎え。中村は左中間へ鋭い打球を放ち、レフト、センターともに捕球できず、外野へ抜け、中継プレーがもたつく間に中村も生還。記録はランニングホームランとなり、土壇場でひっくり返された。

 1対3で破れ、191センチのサブマリンの快進撃は準決勝で止まった。松平は「終盤にミスからピンチを作り、コントロールが甘くなってしまいました」と悔やんだが、それでも強打の拓大紅陵相手に9回、3失点、9奪三振は文句なしの内容だった。

 冬へ向けて松平は「ストレートはアベレージで120キロ後半にして、そして、最速は137キロ、8キロ。そして変化球にも磨きをかけていきたいです」

 松平が目指す投手像が具現化出来た時、高校生レベルでは打ち崩せない投手になるのではないか? 右オーバーの速球派にひけをとらないぐらいの特異の球質、変化球を持っているので、ぜひその道を極めてほしい。

情報提供・文:2021.10.02  河嶋 宗一

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