
竹田 祐 (履正社)
- 短評
- 観戦レポートより抜粋(2017年3月29日)
履正社のエース、竹田 祐(3年)が好投した。ここまで日大三、市立呉戦を見て、昨年秋に行われた明治神宮大会のときのようなよさが見られず寂しかった。それがこの日は一転していい出来だった。ストレートの最速は確認できただけで138キロ。日大三戦で141キロを計測しているので速さだけを物差しにすれば物足りないが、直曲球のキレが違った。
1、2回戦は上半身主導、あからさまに言えば指先だけでヒョイと投げているようだった。リリースのとき「潰そう」「押さえ込もう」という意識でボールを操ろうとし、それが結果的に「指先だけでヒョイ」になったのだと思うが、この日は下半身で上半身を押し出していく動きが見られ、リリースのときのボールの押し込みに力強さが加わった。
ストレートは低めに伸び、スライダーは真縦、斜め、横の3種類を用途に応じて自在に操り、130キロ前後で小さく鋭く落ちるフォークボールのキレもよかった。2回戦で前年の覇者、智弁学園を5対1で破った盛岡大附の強力打線に対して、6回が終了した時点でヒット、出塁を1人も許さないパーフェクトピッチング。勝負球に使う斜めスライダーの横の角度がもの凄く、ひょっとしたらと思った矢先の7回裏、先頭の植田 拓に初球のストレートをレフトスタンドに放り込まれ快挙は達成されなかったが、2安打、1失点の完投勝ちは十分に価値がある。 - 情報提供・文:2017.03.29 小関 順二
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