栗原 洸選手 (専大松戸)

栗原 洸

球歴:専大松戸

都道府県:千葉

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:182.0 cm

体重:70.0 kg

学年:卒業

寸評

 一昨年の秋は2012年度の千葉県NO.1右腕と評価していた栗原 洸。この1年は投手としてよりも野球選手としての成長を見せた1年間だった。 (投球スタイル)  彼の良さはゆったりとしたフォームから鋭い腕の振りから繰り出すキレの良いストレート。春の流経大柏戦では15奪三振を奪ったように回転数の高い直球で空振りを奪う。  ストレートのスピードは常時120キロ後半~138キロと球速表示自体はそれほど速くないのだが、手元まで失速せず、多くの打者がバットの下を振っている。これほどの爆発力があれば、千葉大会ではもっと好投していてもおかしくない。  あまり登板がなかったのはフル回転出来るほどの馬力はなく、やや負担が大きいフォームなので、あまり無理をさせなかったのかもしれない。私も彼の才能を大きく発揮するのは大学進学以降からだと思っているので、あまり疲弊しなくてよかったと思っている。  変化球はスライダー、カットボール、カーブ。いずれもキレのある変化球で、ストライクが取れる制球力がある。投球の組み立てに使える変化球であり、決め球に精度の高い変化球で打ち取る事ができるのが強みで、ストレートと変化球のコンビネーションが取れていて、投球内容は昨年の千葉県の投手ではベスト3に入るほどであった。 (クイック・フィールディング・牽制)  クイックは1.3秒~1.4秒前後とあまり速くない。以前は1.2秒前後のクイックができていたが、投球に専念するためか、遅くなっていたのは残念。フィールディングの動きは良いし、牽制も適度に入れており、投球以外の技術もしっかりと鍛えられている。 (野球選手・栗原洸としての成長) この1年は投手としてよりも、野球選手・栗原 洸の成長を見せてくれた1年間だった。入学当時はまだ投手だけで、クリーンナップを打つ選手になるとは全く想像できなかったが、1年秋からサードに専念したことで、投手だけではなく、野球選手として成長するきっかけを掴んで行ったと考えられる。その時はブンブン振り回す選手だったが、無駄な球には手を出さず、打てる球を好打していく勝負強い打者に変貌し、そして2番を打っては絶妙な犠打を決めてつなぎ役に徹し、勝利に貢献。野球選手としてこんなに大きくなった投手は昨年度の投手ではなかなかいない。将来性は投手だが、野球選手としての幅を広げる育成計画は最後の年になって実を結んだのではないだろうか。 (投球フォーム)  ノーワインドアップから始動する。静かに始動し、ゆったりと左足を上げていく。左足を二塁方向へ向かって伸ばしていきながら、重心を下げていく。お尻が先行して落ちるヒップファーストが取れており、縦系のカーブとフォークを習得しやすいフォームといえるだろう。左ひざを伸ばしていき、踵から着地することによって間を稼ぐことが出来ているのも良いといえる。左足の使い方が上手い。  左腕のグラブを上向きにして伸ばして、体を傾斜させていく。左腕のグラブと右腕が一直線にならず、グラブを左胸にしっかりと抱え込むことができているので、開きを抑えることが出来ているのは素晴らしい。テークバックは独特のテークバックで、大きく、やや肘が下がり、上から振り下していくので、肩、肘にかかる負担は大きい。彼があまり登板させなかったというのは故障のリスクも考えたものかもしれない。  テークバックは内旋していきながら、体の近くで腕を振り下すことができている。遠心力に頼って腕を分回す軌道よりも安定しており、これにより制球力が安定する。最後のフィニッシュでは踏み込み足がしっかりと接地することが出来ているので、勢い良く腕を振り抜く準備が出来ており、勢いのあるストレートをコントロール良く投げられる終わり方となっている。
更新日時:2013.01.26

将来の可能性

 個人的に一番良かったのは流経大柏戦で、まさに本物の速球で相内以上の投手だと思ったものだ。ただ安定して精度の高いストレートを投げるにはまだ体力不足。投手としてのセンスは高いモノを秘めているので、瞬間的な能力ではなく、継続的に力を発揮できる投手になることが求められているだろう。進学先は定かではないが、上のレベルで活躍できる素質は秘めた投手。ぜひ大学4年間は飛躍の4年間となってくれることを期待している。
更新日時:2013.01.26

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