試合レポート

北嵯峨vs立命館

2020.07.28

初回に6点を奪った北嵯峨が立命館を振り切る

 北嵯峨が序盤に大量得点を奪って、立命館に勝利した。

 北嵯峨は先発の城山律樹(3年)が初回を3人で抑える上々の立ち上がりを見せる。するとその裏、無死一塁から2番・加藤明日成(3年)がエンドランを成功させ、無死一、三塁と先制のチャンスを作る。ここで3番・木瀬陽太(3年)が右中間に適時二塁打を放ち、先制点を挙げる。

 北嵯峨はその後も相手のミスに付け込みながら打線が繋がり、初回だけで6得点。立命館は最速143㎞/h右腕の中村優成(3年)を先発に立てたが、「まっすぐは全然きていなかった」(吉田達朗監督)とこの日は本調子ではなく、1アウトしか取れずに6失点(自責点は4)でマウンドを降りた。

 いきなり大きなビハインドを背負った立命館だが、2回表に二死一、二塁から8番・長谷川督馬(2年)の左前適時打で1点を返す。その後、押し出しで1点を加えると、なおも二死満塁のチャンスで2番・北條夏陽(3年)が右前2点適時打を放ち、2点差まで詰め寄った。

 しかし、北嵯峨はその裏、二死二、三塁から6番・大江智騎(3年)の2点左前適時打でリードを4点に広げる。すると、3回以降は立ち直った城山が角度のあるストレートにチェンジアップを上手く織り交ぜ、6回までの4イニングを無安打に抑え込んだ。立命館にとっては苦しい展開が続いたが、2番手の岡﨑直人(3年)と3番手の西村達貴(3年)が粘りの投球を見せ、味方の反撃を待つ。

 何とか反撃したい立命館は最終回の7回表に一死から1番・磯野薫平(3年)が三塁線を破る二塁打で出塁する。続く北條は三振に倒れたが、3番・中塚智大(3年)がライト線に適時二塁打を放ち、3点差に詰め寄った。続く4番・襟川颯太(3年)も長打性の当たりを放ったが、フェンス手前で右翼手のグラブにボールが収まり、試合終了。序盤のリードを守り切った北嵯峨がブロック決勝進出を決めた。

 北嵯峨は8月2日の洛北戦が3年生にとって最後のゲームとなる。西純平監督は「どんな形であれ、悔いなく、思い切って野球をやってもらえたらと思います」と次戦への想いを語ってくれた。春夏合わせて5度の甲子園出場経験を持つ古豪が、最後に強さを見せつけることはできるだろうか。

(記事=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】出水工が延長に及ぶ激戦を制して、サヨナラ勝ち

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】樟南vs鹿児島商 かつて「御三家対決」は、樟南が逆転勝利!

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実が大島に完封勝利

2024.05.22

【春季関東大会】センバツVの両エース打ちで勝利に貢献!逆転タイムリー放った池田翔吾(常総学院)は指揮官も絶賛の打棒の持ち主!

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商