打のチーム明秀学園日立は「守備力」もグンを抜いていた!
辻 天成(明秀学園日立)
トーナメント表
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センバツがいよいよ開幕。18日に第94回選抜高校野球大会が阪神甲子園球場で幕を開ける。
憧れの大舞台で、球児たちがこれまで積み重ねてきた努力を発揮することになるが、自分の力を発揮することは意外と難しい。これまでも投手が制球力を乱したり、野手陣が失策を犯したりと、普段ではありえないプレーがでてしまうものだ。しかし、逆に練習ではできなかったことができたりするのもまた甲子園と言うこともできる。
いかに自分たちの力を出すことができるか。それは同時に、いかにミスをしないかということになる。ミスが少ないほど、勝てる確率は高くなる。
今回はセンバツ出場校の昨年秋の公式戦での失策数を調べてみた。試合数が違うので、一概には比べられないが、失策数だけのランキングは以下の通り。
1位 1 明秀学園日立(茨城)10試合
2位 3 浦和学院(浦和)8試合
3位 4 鳴門(徳島)7試合
大分舞鶴(大分)7試合
5位 5 クラーク記念国際(北海道)9試合
山梨学院(山梨)9試合
東洋大姫路(兵庫)9試合
二松学舎大附(東京)8試合
昨年秋の関東大会で優勝した明秀学園日立が、10試合でわずか失策1と、守備は鉄壁である数字を残した。この失策も、明治神宮大会初戦(広島広陵戦)で、遊撃手の平野太智内野手(2年)が犯したもの。秋の公式戦では初戦から9試合連続無失策だったということになる。10試合で14本塁打を放ち、打率も.333を誇るなど、打のチームと思われがちだが、守備もしっかり鍛えられている。8試合で3失策だった浦和学院とともに、上位2チームはいずれも関東地区代表だった。
逆に多くの失策を重ね、課題が浮き彫りとなったチームもある。残念ながら、昨年秋の公式戦の試合数以上の失策があった高校は以下の通りとなった。
丹生(福井)5試合12失策
鹿児島大島(鹿児島)11試合18失策
高知(高知)9試合14失策
只見(福島)4試合6失策
長崎日大(長崎)8試合10失策
有田工(佐賀)8試合9失策
敦賀気比(福井)9試合10失策
花巻東(岩手)14試合15失策
星稜(石川)10試合10失策
もちろん、この課題を克服するために、各チームがこの冬の練習に取り組んできたに違いない。今センバツはその成果を出すための舞台でもある。
はつらつとしたプレー、華麗なプレー、地味ながら堅実なプレー、超人的なスピードあふれるプレー、見たことのない送球でアウトにするプレーなどなど、高校球児の守備に魅了される部分は多い。守備力を誇るチームの凄さはもちろんのこと、昨年秋から大きく成長した守備を見せてくれるチームにも注目してもらいたい。