試合レポート

球陽vs向陽

2021.07.07

球陽野球部史上最強ナイン!秋季16強はダテじゃなかった

 県有数の進学校である球陽。野球技術に関してはどこか「時間が限られているから出来ていないだろう」と、見下されている節が否めなかった。それを昨秋の16強入りで払拭したものの、春はKBC学園未来高校沖縄にコールド敗退。その真価が問われる最後の夏の初戦で、より強く進化した姿を見せてくれた。

投打で球陽の、本当の大黒柱になった仲村周

 球陽は1回裏、先頭の上地健吾が四球を選ぶと犠打で進塁。ここで3番に入った仲村周がベンチの期待に応えるライト前へのタイムリーで1点を先制する。

 さらに球陽は2回裏、二死二塁として8番島袋天太がタイムリー。その後四球とヒットで満塁とすると2番與座悠公が7球目を見極め押し出し四球を選ぶ。続く仲村周は、ストライクが欲しい相手の気持ちを読むように初球を引っ張るフルスイング。走者一掃のレフトへの3点タイムリー二塁打で大量5点を奪った。

 さらに球陽は5回、仲村周が3打数3安打目となる三塁打を放つと、負けじと4番岡田怜士もセンター前へ運ぶダメ押しタイムリー。6回には2番與座悠公のスクイズが成功し7点差とした。

 投げてはエース仲村周が6回を投げ僅か1安打ピッチング。7回にはそれまでキャッチャーを務めていた奥間優がマウンドへ。春までの正捕手山内が一塁から捕手へ行くと、仲村周はサードへ回る。「前日に、こういう場面になったらそれぞれのポジションはこうなるよと伝えてありましたので、彼らにとって心構えは常にあったでしょう」と球陽の新垣隆監督。マウンドに上がったその奥間優が138kmをマークする力強いピッチングを披露した。しかし沖縄向陽高校も最後に意地を見せる。

 球速120km前後の仲村周に慣れたあとの、140km近い速球は厳しいと見られたが、一死後、5番山田匠馬がライト線を破る三塁打を放ちベンチを盛り上げたのだ。是が非でも1点を、との願いがグラウンドに響いたがここまでだった。最後は球陽奥間優が力でねじ伏せゲームセットとなった。

 秋は仲村周頼みだったが、最後の夏にそれぞれがレベルアップをしている姿を強烈に見せた球陽。二回戦は春の大会で、興南高校を相手に1点差ゲームを演じた具志川。ここに勝てば「球陽野球部初の夏16強入り」となる。もちろんベスト8も可能性大。球陽野球部史上最強ナインと呼ばれるかどうか。見守っていきたいと思わせる戦いぶりだった。

(文=當山雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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