白樺学園エース・葛西凌央がやらなければならない課題。目指すはストレートで勝負できる投手
白樺学園・葛西凌央
秋の北海道大会連覇に向けて5日の初戦・旭川実戦に挑んだ白樺学園。だが結果は1対7と終盤に引き離される形で敗れた。甲子園への道も厳しい状況となり、この一戦に先発したエース・葛西凌央は悔しさを残す一戦となった。
「去年は札幌丸山球場で試合をしてもベンチで見ているだけでしたので、投げたいと思っていました。それが1年越しで叶って楽しみなところがありましたが、体が硬くなってしまいました」
5回途中まで投げて被安打6、与四死球3、奪三振3、自責点2とエースとして長いイニングを投げることができなかった。この要因について葛西は下半身の使い方を挙げた。
「体重移動で横へ移動する際に、肩を開くのが速くなってしまい前を向いてしまいましたので、結果としてワンバンや浮いてしまうことが多くなってしまいました」
葛西の投球フォームは身長183センチを活かした角度を付けたボールが持ち味であるが、下半身の使い方も特徴的。セットポジションから足をすっと上げると、そのまま一度下ろしてからゆっくりと横移動に入る。フォームを見るだけでも下半身の使い方への意識を高く持っていることが考えられたが、そこが上手くできなかったことが、制球力の乱れに繋がった。その結果、武器であったカットボールが打たれることにも繋がった。
「相手打線は初球からどんどん振ってきたので、カットボールは有効だと感じてカウントを稼ぐようにしました。ただ打たれたときは、高めに抜けてあまり曲がらなかったカットボールを捉えられました」
甲子園交流試合でもカットボールを軸に、フォークも混ぜながら打たせて取る投球。1回3分の1を無失点に抑えたが、「秋からはストレートをもっと混ぜられるようにしたい」と課題をもって練習をしてきた。ただ新チームのスタートが出遅れたことも関係し、真っすぐの向上まで着手することができなかった。
結果、ストレートに近い軌道から変化するカットボールを軸に打たせて取ろうとしたが、勝利に結びつけることができなかった。
これで白樺学園は今季の公式戦全てが終了し、練習に打ち込む時間が増えていく。葛西は「真っすぐを磨いて三振を取れる、野手のミスをカバーできるような投手になりたいです」と明言。現在は最速138キロまで到達しているが、スピードや質、さらにはコントロールも底上げできれば、武器であるカットボールはより有効になる。
春までに今とは違う生まれ変わった投手になれば、北海道を沸かせる投手になるのではないだろうか。