試合レポート

一関学院vs京都国際

2022.08.06

一関学院の166センチのアンダースローが好投 夏4強・京都国際からサヨナラ勝ち飾る

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第104回 全国高等学校野球選手権大会

<第104回全国高校野球選手権大会:一関学院6-5京都国際(延長11回サヨナラ)>◇6日◇1回戦◇甲子園

 大会初日の3試合目は、延長11回サヨナラで一関学院(岩手)が京都国際(京都)を6対5で下して勝利した。

 京都国際のプロ注目の二刀流・森下瑠大投手(3年)は、京都大会で復活を印象付ける快投を見せ、甲子園での好投に期待が膨らんでいた。対する一関学院は伝統の守備力に加えて、今年は岩手大会決勝で盛岡中央齋藤響介投手(3年)を攻略するなど、岩手大会でチーム10本塁打をマークした打力が光る。

 「森下対一関学院打線」と見られていた対決の構図は、3回で決着がついた。一関学院打線が3回までに4点を奪い、森下を攻略した。中盤以降は総力戦の様相となったが、7回までは一関学院が5対1でリード。8、9回で京都国際の意地の攻撃を受けて2点ずつ奪われて同点とされたが、延長11回に途中出場・寺尾 皇汰投手(2年)がサヨナラ打を放ち、雌雄は決した。

 2021年の夏4強・京都国際を下した一関学院。もちろん、サヨナラ打を放ったエース・寺尾はもちろんだが、先発として試合を作った166センチの背番号11を付けた2年生投手の存在も大きい。

 先発・小野涼介投手(2年)は、この春からアンダースローに転向した技巧派右腕だ。京都国際打線から多くのフライアウトを奪った。小牧監督も苦戦することを予想していたという。

 以前まではサイドスローだったが、それを微塵も感じさせない下手投げのフォームから、地を這いながらも浮き上がってくるような110キロ台の直球と、ブレーキが利いた100キロ台のスライダーを投げ込む。

 そして何より制球力がいい。
 8回まで京都国際に与えた四死球はわずか1つだけ。最終回に2つ与えてしまったが、35人に対して99球と、1人当たりに換算すると、ほとんど3球勝負で打ち取ってきた計算になる。

 外角へ丁寧にストライクの出し入れをするかと思えば、時折内角への強気な直球を見せる。コーナーをついた、緩急自在な投球術で、京都国際打線を翻弄した。24個のアウトのうち、7者連続を含め13個がフライアウト。完全に術中にハメて、チームに流れを持ってくる投球を演じた。

 8回に2失点し、9回には2者連続四球と制球を乱し、完投とはならなかったが、先発として試合を作ったことは間違いない。

 小野涼は「カウントを作ることを大事にしていて、そのうえでどう抑えるか。普段から意識しています」と練習からテンポよく投げることを意識。そのために必要だったのが緩急をつけた投球術だった。

 岩手には花巻東の怪物・佐々木麟太郎内野手(2年)が同級生にいるが、佐々木とともに2023年の岩手を引っ張る選手となることは間違いないだろう。この夏、甲子園でどれだけの経験を積んで成長するか注目したい。

(文=田中 裕毅)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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