鶴岡東vs弘前学院聖愛
鶴岡東が36年ぶりの4強
左翼前安打を放った佐藤翔平(弘前学院聖愛)
鶴岡東が弘前学院聖愛を3対1で下し、1978年の鶴商学園時代以来となる4強入りを果たした。ちなみに、この時はベスト4ながらセンバツに出場している。
鶴岡東は初回、1番・安食幹太が死球で出塁すると、2番・黒川大翔がすかさず犠打を決めて、1死2塁。3番・柿崎航の打球はセカンドゴロだったが、弘前学院聖愛の一塁手・笹森理久も打球を追いかけてしまい、先発・赤川諒も一塁ベースに入れずに内野安打。そして、4番・阿部大のセカンドゴロを弘前学院聖愛の二塁手・小山竜ノ介が前に落とした間に1点を先制した。
弘前学院聖愛は2回、1死から5番・佐藤翔平がレフト前ヒットで出塁。6番・笹森のセカンドゴロで二塁に進むと、7番・一町田貴喜がレフトへ同点タイムリーを放った。
1対1のまま試合は進んだが、5回、鶴岡東は1死から8番・竹本大輝がレフトオーバーの二塁打を放つと、9番・福谷優弥のファーストゴロを笹森がエラー。1死1、3塁で1番・安食がライトへ犠飛を放って逆転した。
5安打1失点で完投したエース福谷優弥(鶴岡東)
さらに、7回には1死から8番・竹本、9番・福谷、1番・安食の3連打で追加点を奪い、主導権を渡さなかった。
投げては、左腕エース・福谷が、「どのバッターにも甘い球を投げないように低めを意識した」と、5安打1失点と好投。
佐藤俊監督は「1点を先制して、終止、リズムを崩すことなくやってくれた。落ち着いて投げてくれた」と話した。
入学当初は「9回を放る体力がなかった」と福谷。連日のピッチングなどで、プレーボールからゲームセットまで投げられる体力を作った。この日は、最後まで球威が衰えず、1失点完投で36年ぶりのベスト4に導いた。
一方、弘前学院聖愛・原田一範監督は「前の試合で右バッターのインコースにあまり投げていなかった。外のストレートを逆方向に打つように指示していたが、右バッターのインコースにガンガン来た」と、西目戦と攻め方を変えられ、攻略できなかったと語った。
また、「ピッチャーを1人、代えるのが遅かった」とも。3連打を浴びたところで、赤川からエース・山下弘暉に交代したが、1死1、2塁で代えていれば、流れは違ったかもしれない。
昨夏、創部初の甲子園に出場した弘前学院聖愛。今度は初のセンバツ出場に燃えていたが、準々決勝で敗退となった。今冬のテーマは〈中身から変わろう〉。原田監督は「中身から変わった聖愛を楽しみにしていてください」と話してバスに乗り込んだ。
(文=高橋 昌江)