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日本高野連と女子高校硬式連盟、全日本女子連盟が初の意見交換会

2020.02.14

日本高野連と女子高校硬式連盟、全日本女子連盟が初の意見交換会 | 高校野球ドットコム

 日本高等学校野球連盟(日本高野連)と全国高等学校女子硬式野球連盟、全日本女子野球連盟の3者が初めてとなる意見交換会を13日に行いました。
女子連盟からは、全日本女子野球連盟副会長で全国高等学校女子硬式野球連盟代表理事の濱本光治氏と、全日本女子野球連盟専務理事の山田博子氏。日本高野連からは井上康雄副会長と小倉好正事務局長。他に事務局を合わせて計13名が出席し、約2時間にわたって意見を交換しました。

 今回の議題は、お互いの規定などを確認し、課題を共有しあうというものです。
 双方が各団体の成り立ちや歴史、これまでの歩みについて説明。女子連盟からは「登録規程」や「全日本女子野球連盟内規」など、日本高野連からは「日本学生野球憲章」や「大会参加者資格規定」なども説明されて、双方の規則を理解し合ったとのことです。

 それらの規則を踏まえたうえで、日本高野連に所属する女子部員が女子日本代表チームの選考や全国高等学校女子硬式野球選手権大会に参加することなどの課題を共有し、各団体へ持ち帰って審議検討を行っていく予定です。

 日本高野連の小倉事務局長は、「当連盟には女子部員もいますので、その女子部員に対して、どの部分まで女子野球連盟と関わることができるのかということを含めて話し合いをさせていただきました。これまで勉強不足だったこともありましたので、非常に勉強になりました」と意義深い意見交換だったことを話しました。

 今後は定期的にではないものの、継続して意見交換会を実施し、それぞれの立場を尊重しながら、一致協力し合うことが確認されました。

 今回の意見交換会では、将来、女子の試合を甲子園でするかどうかは議題に入っていません。現在、女子の全国大会は年3回、3月下旬の選抜大会と8月のユース大会(高校1、2年生主体の新人大会)は埼玉県加須市、7月下旬の選手権大会は兵庫県丹波市で行われており、大会はそれぞれ地元にも根付いています。

 濱本氏は両大会が地元に根付いていること女子の試合を甲子園でするという意図がないことも説明しながら、「男女とも、野球界に光が差し込んできたと感じた」と闊達な意見交換ができたことを強調しました。

 現在、女子高校大会では高校にチームのない選手たちが集まっての連合チーム「丹波連合」が参加しています。日本高野連所属の女子部員の立場から見れば、この「丹波連合」のようなチームに参加できる形ができれば、女子部員の女子公式戦出場機会を作ることができます。

 ただ、日本高野連に加盟する高校や選手は「日本学生野球憲章」に則って活動しています。現在の「日本学生野球憲章」では、第15条の他の野球団体との関係に、『部員、指導者および学生野球団体の役員は、学生野球団体または学生野球団体を構成団体とする野球団体以外の野球団体の構成員となることはできない。

 ただし、日本学生野球協会の承認を得た場合はこの限りではない。』と書かれており、各都道府県高野連に登録されている選手は、日本学生野球協会の承認を得ない限りは他団体との二重の登録ができないことになっています。

 日本高野連と日本学生野球協会の話し合いを含めて、「日本学生野球憲章を改めるのは難しいので、条件をつけながら特例的に可能かを検討していきたい」と小倉事務局長はこれから課題にどう向き合っていくかを話しました。

 女子選手が高校で野球をする。女子野球の試合に出場できる環境をもっと整えていく。この課題が今後どう推移していくかに注目です。

(記事=松倉 雄太

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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