新田vs伊予
エースの「穴」を着実に突いた新田、伊予に快勝!
まず伊予の最速146キロ右腕・西川 泰生(3年・178センチ77キロ・右投右打・松山市立南第二中出身)について記したい。新田戦の結果は先発し1回3分の1で56球を投げ、打者14人に7安打3四球。三振は1つも奪えず8失点。ストレートが走らず、変化球が決まらず、痛打を浴び、クイックを怠り走られる悪循環に陥った。
6回表からの再登板は先発時より球筋は落ち着いたものの、最後はコールドを決められる11点目を奪われ万事休す。3番に入った打席でも5回裏一死満塁の絶好機にむやみに振り回し空振り三振を喫するなど、独り相撲に終始したと言っても過言ではない。
彼が常々言っていたのは「楽しく野球をしたい」。ただ、「楽しみ」には「責任」が伴うし、団体競技をする以上、周囲と協調しなければ真の楽しさは得られない。今後、彼がどのような道を辿るにしても、0対10の5回裏二死満塁から4番・西岡 大地(2年・遊撃手・170センチ68キロ・右投右打・松山市立余土中出身)、5番・北條 巧真(3年・中堅手・174センチ68キロ・右投右打・伊予市立伊予中)の連続適時打などで4点を返したチームメイトの「つながり」や、熱烈な声援を続けた三塁側応援席の光景だけは心に留めてほしいと切に願う。
裏を返せば新田はそんなエースの穴を着実に突いたと言ってよいだろう。1回表は単打4・四球3に2盗塁を絡め打者10人を送り込み5得点。高校通算21本塁打の3番・黒川 貴章(3年・遊撃手・179センチ81キロ・右投右打・愛媛ボーイズ出身)から、高校通算22本塁打の古和田 仁(3年主将・捕手・173センチ79キロ・右投右打・松山中央ボーイズ出身)、高校通算19本塁打の工藤 耀介(3年・中堅手・171センチ76キロ・左投左打・松山ボーイズ出身)と続く強力クリーンアップの前後も活発に打ち、先発全員安打の15安打・6盗塁でつないだ。3人で8安打を喫した投手陣にはやや不安を残すものの、今後のスタミナ勝負を鑑みれば7回コールド勝ちは大きな成果。
かくして伊予に快勝した成果を胸に刻み、新田は7月17日(月・祝)に坊っちゃんスタジアムの第3試合で激突する第3シード・済美との決戦に挑む。
(レポート=寺下 友徳)
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