ヤクルトは5年で寺島成輝、村上宗隆、奥川恭伸ら高卒3人を指名【ドラ1選手のルーキーイヤー】
プロ志望届の提出期限が過ぎ、いよいよ今年のプロ野球ドラフト会議の日が迫ってきた。
今年も多くの選手がドラフト候補として名を連ねるが、やはり一番の注目は「ドラフト1位候補」だろう。ドラフト1位といえど、将来のエース候補、来季の即戦力候補など、その位置づけは様々だ。
そこで今回は、各球団が直近5年間で指名してきたドラフト1位選手たちの、ルーキーイヤーの成績を振り返りたい。
まずは東京ヤクルトスワローズを見ていこう。
星稜出身・奥川恭伸
ヤクルトの過去5年間のドラフト1位指名選手とそのルーキーイヤーの成績は以下の通り。
2015年 原樹理(東洋大姫路・東洋大) 投手
13試合 2勝8敗 67回 33奪三振 防御率5.91
2016年 寺島成輝(履正社) 投手
1試合 3回 3奪三振 防御率15.00
6試合 0勝1敗 19回 19奪三振 防御率2.37(ファーム)
2017年 村上宗隆(九州学院) 捕手
6試合 1本塁打 2打点 打率.083 長打率.333 出塁率.214
98試合 17本塁打 70打点 打率.288 長打率.490 出塁率.389(ファーム)
2018年 清水昇(帝京・國學院大) 投手
11試合 0勝3敗 26回 24奪三振 防御率7.27
2019年 奥川恭伸(星稜) 投手
一軍登板なし(10/11時点)
4試合 0勝0敗 6.2回 9奪三振 防御率4.05(ファーム)
2015~2019年の5年間でヤクルトが指名したのは高卒投手2人、高卒野手1人、大卒投手2人となっており、比較的将来性を重視した指名となっていることがわかる。
大卒投手の原樹理、清水昇は即戦力を期待されての指名となり、2人とも10試合以上登板を果たした。原は全13試合に先発し67回を投げるなど、一軍で一定の成績を残したと言えるだろう。一方の清水は先発3試合、中継ぎ8試合で26回と、やや物足りない1年目だった。
高卒の3人は、いずれも1年目はファームを主戦場としている。寺島成輝、奥川恭伸はファームでも登板数を抑えており、その限られた登板機会の中で好成績を残している。起用法から、将来のエース候補を大事に育てようという姿勢が見られる。
反対に野手の村上宗隆は、1年目からファームで98試合に出場するなど、とにかく経験を積ませてきた。シーズン終盤に初安打を初本塁打で飾り、2年目の飛躍へと繋げた。
この5年間のドラ1選手で「即戦力」として機能したのは原のみ。しかし村上が2年目に大ブレイクを遂げ、今季は4番に定着。寺島、清水も今季は中継ぎとしてチームの戦力になっている。1年目の奥川以外は一軍で活躍を見せていることから、一定の成果は上げていると言えるだろう。
投手力が長年の課題となってしまっているヤクルトだが、今年のドラフトでは即戦力投手を獲得するのか。それとも、FA移籍の可能性もある山田哲人の後継者として野手を獲得するのか。この5年間で4度の競合を経験するなど、比較的ビッグネームへの入札が目立つだけに、今年も競合覚悟での指名となるか。来季の巻き返しへ向けて、鍵を握るドラフトとなる。
記事:林龍也