高卒2年目とは思えない堀瑞輝(北海道日本ハム)の完成度の高さ
高校時代の堀投手、侍ジャパンアジアチャンピオンシップの練習試合で登板
プロ野球で現在行われている練習試合で、活躍を見せている若手選手に注目が集まるが、その中でも昨年、侍ジャパン代表としてアジアチャンピオンシップに出場した堀 瑞輝(北海道日本ハム)が阪神との練習試合で2回を投げて4奪三振の好投を見せた。
堀の長所は、同じ動きを繰り返しできる再現性が高いフォームであること。145キロ前後の速球を内外角に投げ分けられる制球力を兼ね備えていることだ。堀のフォームについて、広島新庄高校時代の迫田守昭監督もこう評価する。
「堀は100球以上投げても、次の日にはまた投げられる投手でした。100球投げてしまうと、その次の日は全く投げられない投手もいますが、その違いはフォームにあって、堀は負担が少ないフォームで投げられるのでそれが実現できると思います」
堀は始動に入ってから、テイクバックをとったとき、しっかりと胸を張ることができている。猫背になるとどうしても肘が下がるが、堀の場合は背筋が伸びていて、それがない。グラブを持つ右肩とボールを持つ左肩と左肘のラインが平行になる投げ方(※参考記事)となっている。無理な力が入らない姿勢となっているため、肩・肘への負担は少なくなる。ここから無理なく腕を加速させて、身体を回転させることができる堀のフォーム技術は、高卒2年目としてはかなり優れているといえるだろう。
このフォーム技術の高さは、高校時代から優れていたが、プロ入り後の筋力強化により、ストレートの平均球速も高まり、球数を投げ続けられるだけのスタミナが付いた。
さらに、高校時代から切れ味抜群だったスライダーに加え、カットボールにも磨きをかけた。堀は、スリークォーターという投げ方の構造上、スライダーが生きやすいが、打者の手元でマッスラ気味に曲がるカットボールも大きな武器となっている。堀は自分の強みを理解しているのだ。
3月に行われるオーストラリアとの強化試合では代表候補として期待される堀。さまざまな経験が2年目の飛躍につなげていけるか、注目だ。