試合レポート

名取北vs多賀城

2022.07.11

名取北、快勝で初戦突破!打線の勝負強さ光る

<第104回全国高校野球選手権宮城大会:名取北8-1古川黎明>◇10日◇1回戦◇[stadium]鹿島台[/stadium]

 宮城大会3日目。鹿島台中央野球場の第1試合には、名取北多賀城が登場した。名取北は今春の県大会でベスト16に入った実力校。一方の多賀城は夏の勝利から2015年以降遠ざかっており、念願の白星を目指し試合に臨んだ。

 先に好機をつくったのは多賀城だった。初回、2番・鈴木翔大(2年)の左前打と相手の失策で1死二、三塁とする。ここで打席に4番・中川誠心(3年)を迎えたが、変化球に手を出し空振り三振に倒れた。続く5番・菊池南生(2年)も二ゴロに倒れ、先制点を奪うことはできなかった。

 するとその直後の2回、今度は名取北が好機を迎える。1死一塁の場面で7番・小川遥斗(3年)が犠打を決めると、8番・佐藤剛(3年)が左前へ先制の適時打。下位打線で走者を返し、試合の均衡を破った。3回には4番・佐藤暖久(3年)に適時打が飛び出しリードを拡大。5、6回にも1点ずつを加え、試合を優位に進めた。

 投げては、先発のエース渋谷悠翔投手(3年)が粘りの投球を見せる。初回にピンチをしのいだあとも2回に無死三塁、3回に2死三塁と失点の危機を迎えながらも、直球と変化球をうまく投げ分け本塁は踏ませなかった。5回は初めての三者凡退に抑え、この回までスコアボードに0を連ねた。

 名取北4点リードの6回、多賀城が反撃に出る。先頭打者が四球で出塁すると、2死二塁で6番・及川草太(3年)が右前への適時打を放った。渋谷は続く打者にも四球を与え、ここで名取北は投手を佐藤暖にスイッチ。もう一押ししたい多賀城は8番・鐵勇人(2年)が粘るも一直に倒れ、この回の攻撃は1点止まりに終わった。

 多賀城に流れが傾きかける中、7回、名取北は6番・半澤晴陽(3年)の適時打で突き放す。なおも2死満塁と好機を広げ、1番・渋谷が中堅手の頭を越える適時三塁打を放ち走者一掃。6回の降板時には悔しさをにじませた渋谷が、三塁上で笑顔を取り戻した。最後は佐藤暖が3人で抑えゲームセット。名取北が快勝で1回戦を突破した。

 名取北が得点圏に走者を置いた2、3、5、6、7回にいずれも得点した一方、多賀城は序盤に訪れた再三の好機を逃した。多賀城名取北の勝負強さに屈し、夏7年ぶりの勝利を手にすることはできなかったが、野球の面白さが詰まった好ゲームだった。

(取材=川浪 康太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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