試合レポート

日大藤沢vs湘南台

2019.07.15

日大藤沢が2本の本塁打でコールド勝ち

 保土ヶ谷球場の第1試合は、第3シードの日大藤沢湘南台が挑む。雨の予報が考慮され、開始時刻が11時から13時に変更された。
気温21.7℃、湿度98%で、北の風4.4m/s。今年はオホーツク海高気圧の勢力が強く、上空に冷たい空気が滞留しているため、例年に比べ気温の上がらない日が多い。また、今日のメソ数値予報モデルでは、昼過ぎに雨の止み間が予想されていたが、その予想通り、雨は徐々に弱くなり、13時34分のプレーボールに合わせるかのように止んだ。

 試合は序盤から動く。湘南台のエース清水はスリークォーターにオーバースローを織り交ぜる投球で日大藤沢の1番牧原を見逃し三振、2番菅波をピッチャーゴロに仕留め、簡単に2アウト。しかし、3番石川の鋭い打球にレフトのダイビングチャッチは及ばず、ボールが外野後方に転がり3塁打となる。そして続く4番姫木は初球をレフト線に運ぶタイムリー2塁打を放ち、日大藤沢が1点を先制。さらに2回表も6番森田の死球、7番筒井の送りバントでランナーを2塁に進めると、9番武冨はフルカウントからレフト前にしぶとく落とすタイムリー。トップに還って1番牧原がライト前ヒットで続きランナー1、2塁とすると、2番菅波は3遊間を破るタイムリーヒットで3点目を追加。この打球をレフトが後逸し、ランナー2、3塁と、たたみ掛けるチャンスが続いたが、続く3番石川は三振に倒れ、この回の得点は2点止まり。

 序盤で3点のリードを許し、反撃したい湘南台だが、日大藤沢の注目の好左腕、武冨の前に5回まで7番長屋のヒット1本、無得点に抑えられる。一方、清水も3回、4回はヒットを打たれながらも要所を締め、1番牧原の1塁線を抜けようかという打球をファースト土屋が好捕するなど、バックの堅い守備もあり、何とか無失点で切り抜ける。


 しかし、日大藤沢は5回にビッグイニングを作る。振り逃げのランナーを1塁に置いて、6番森田のセカンド頭上を越えるレフト前ヒットでランナー1、3塁とすると、7番筒井の打球は左中間を深々と破り、中継の乱れもあって3塁に進み、2点追加。続く8番鵜飼のピッチャー返しの打球もセンター前に抜けて6点目。さらに9番武冨がバントでランナーを2塁に送ると、バッターは1番牧原。牧原は低めの球をすくい上げると、打球は高々と舞い上がり、ライトスタンドに飛び込む2ランホームラン。ここで湘南台は石井を2番手投手に投入。石井は続く2番菅波をスイングアウトの三振に仕留めるが、この回は5点が入り、日大藤沢が8対0と大きくリードする。さらに6回にも4番姫木の右中間3塁打と5番菊地の四球でランナー1、3塁として、6番森田にダメ押しのスリーランホームランが飛び出し、11対0と試合を決定づけた。

 何とか得点が欲しい湘南台は、その裏、2番手でマウンドに上がった渡邊の連続四球で1死1、2塁のチャンスを作り、バッターは2番大山。大山は送りバント試みるも、ボールは3番手投手の鵜飼の正面に転がり、鵜飼は捕球して3塁へ送球。完全にアウトのタイミングだったが、これが悪送球となり、湘南台に待望の1点が入る。なおも無死ランナー2、3塁とチャンスが続いたが、後続が倒れてコールドゲームが成立。日大藤沢湘南台を11対1で下して3回戦進出を決めた。

 日大藤沢の武冨は湘南台打線に対し、5回を投げて1安打無失点。やや球が上ずっている感もあったが、球威で湘南台打線に空を切らせ、凡打の山を築く快投。打線も2本のホームランが飛び出すなど、投打にわたって湘南台を圧倒した。

 一方、湘南台は、大差で敗れたものの、ブラスバンドのトランペットが高らかに鳴り響く大応援の中、強豪校を相手に食い下がる場面も作った。この悔しさをバネに、新チームには上位進出を目指して頑張って欲しい。

                                          

(文=松田 祥二郎)

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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