神村学園vs樟南
5投手継投で辛勝・神村学園
神村学園と樟南は5月のNHK旗も同じ準決勝で対戦している。このときは12対1、7回コールド勝ちで神村学園の圧勝だった。だが、今大会、樟南は初戦から3戦コールド勝ち。
準々決勝・鹿児島大島戦では、今大会から初めてエース番号を背負った2年生・松本晴があわや無安打無得点試合の1安打完封とここまで、攻守とも最も充実した内容で勝ち上がっており、NHK旗のような試合にはならないだろうことは容易に予想できた。
中盤まで優位に試合を進めたのは樟南の方だった。
松本晴は4回まで神村学園の強力打線を無安打に抑えた。5回に今大会初失点を喫したが、6回裏に好リードで弟を盛り立てた7番の兄・松本連(3年)のレフトオーバー二塁打で再び2点差とした。
松本晴の前に劣勢を強いられた神村学園だったが、8回に5番・島中大輔(3年)のセンターオーバー二塁打、7番・赤崎健人(3年)のライト前タイムリーで同点に追いつく。
8回の攻撃で、2番手で投げていた9番・中里琉星(2年)のところで代打を出したため、8回裏に誰がマウンドに上がるのか注目していたが、3番手を託されたのは何と捕手の田中怜央那(3年)。先頭の7番・松本連に二塁打を浴びたが無失点でしのぐ。
9回裏、先頭の新屋太希(3年)がセンター前ヒット、3番・折尾昂靖主将(3年)が送りバント、4番・松下航太(2年)が四球で一二塁となったところで、神村学園・小田大介監督が4番手に指名したのがショートの羽月隆太郎(2年)だった。
1球もストライクが入らず四球で満塁となったところで、5番手で金城伶於(2年)が登板。キャッチャーフライ、ファーストゴロでこの絶体絶命のサヨナラのピンチをしのぐと、延長10回表、1番・後藤拓真主将(3年)のタイムリーでようやく挙げた勝ち越し点を、金城が守り、3時間21分の死闘をものにして神村学園が3年ぶりの決勝に駒を進めた。
(文=政 純一郎)
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