試合レポート

武相vs金沢

2017.07.09

武相の背番号1・宮下が投打に躍動!金沢、驚異の粘りも及ばず

 昨日開幕した第99回全国高等学校野球選手権神奈川大会。[stadium]横須賀スタジアム[/stadium]には、朝から両校の応援団、高校野球ファンが駆けつけ、スタンドを埋め尽くした。激戦区神奈川は、スタンドの熱気も全国随一だ。第一試合の武相対神奈川金沢の一戦は、そんなスタンドの期待に応える好ゲームとなった。

 武相は背番号1の宮下竜一(3年)、神奈川金沢は背番号11の安齋理人(3年)が先発。両右腕は立ち上がり、互いに走者は出すものの、得点は許さず。無得点のイニングが続く。

 均衡が破れたのは5回裏。武相は先頭の9番宮下がレフト線を破る二塁打で出塁。続く1番川島開(2年)のバントが野選を誘い、無死一、三塁と絶好のチャンスを作ると、2番カレオン(2年)はセンター前へタイムリー。武相がテンポの良い攻撃で先制に成功する。

 更に二死二、三塁とチャンスを広げると、5番加藤大嗣(3年)がレフト前へ強烈なタイムリーを放ち、2点を追加。その差を3点に広げる。

 リードを広げたい武相は6回裏、先制のキッカケを作った宮下が、またもバットで魅せる。高々と放った打球は、そのままライトの頭上を越えスタンドへ。大会第一号ホームランとなる一発で、その差を4点に広げる。

 何とか反撃に転じたい神奈川金沢。7回表、一死から5番堀井翼(2年)がレフトへエンタイトルツーベースを放つ。続く6番原尾仁樹(3年)は進塁打で二死三塁。ここで神奈川金沢ベンチは、ここまで粘りの投球を見せていた安齋に代え、代打・渡邉陽(2年)を送る。その渡邉がベンチの期待に応え、ライト前へのタイムリーを放ち、1対4。その差を3点に縮める。


 この回を境に、試合の流れが武相ペースから、神奈川金沢ペースに一変。安齋に代わってマウンドに登った背番号1・森元壯(3年)が、武相のクリーンナップを見逃し三振、内野ゴロ、空振り三振と完璧に封じ、攻撃の流れを作る。

 その裏、四球とヒットで一死一、二塁のチャンスを作り、4番矢野貴一の打球はレフト前へ。これがタイムリーとなり、その差は2点に。更に、5番堀井の内野ゴロの送球が乱れる間に走者が生還。ついに1点差に迫る。

 逆転ムードが高まる中、6番原尾が放った打球はレフトの頭を超える。同点か、と思われたが、この打球がバウンドしてスタンドイン。エンタイトルツーベースとなり、一塁走者は三塁、打った原尾は二塁へ。外野を転々としていれば、間違いなく一塁走者は還っていた打球。武相としては命拾いした形となった。

 このあと四球で塁が埋まり、二死満塁。試合の流れを決する場面、ここを制したのは武相だった。エース宮下が渾身の真っ直ぐで空振り三振を奪い、絶体絶命のピンチを切り抜け、勝負あり。最終回もマウンドに登った宮下が三者凡退に抑え、粘る神奈川金沢打線を振り切った。

 3失点完投勝利となった武相の宮下。結果的に自らが放った本塁打が決勝打となり、投打でチームを勝利に導いた。惜しくも敗れた神奈川金沢、安打数は武相を3本上回る11本、守備でも無失策と互角の力を見せたが、勝負所であと一本が出なかった。

 序盤のリードを守り切った武相と驚異の粘りを見せた神奈川金沢。激戦区にふさわしい好ゲームと両校に、満員のスタンドから惜しみない拍手とエールが送られた。

(レポート=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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