柳川vs筑前
試合シーン01
このままでは終われない
柳川高校……甲子園出場16回を誇る強豪である。ただし、ここ5年間甲子園から遠ざかっている。その柳川に対するのは、県立筑前高校。どのような試合になるのか。
1回の攻撃は、どちらも三者凡退に終わる。筑前高校の外野守備では、スタンドまでしっかり聞こえるほどの大きな声での声掛けがされていた。2回表、柳川の攻撃。4番松尾(健)がこの試合初めてのヒットで出塁すると、犠打、ゴロで進塁。7番糸稲のタイムリーで先制する。
筑前先発の有川は、4回までを2安打奪三振5と抑える。5回表、1アウトから5番田中に四球を与えると、犠打と内野安打で2アウト1,3塁のピンチを迎えると2番内野の2球目でボークをしてしまう。ボークの場合、走者にはひとつ進塁権が与えられているため、柳川に2点目が入る。続く6回にも、2アウト2,3塁の場面で、7番糸稲の2球目で再びボークをしてしまう。これで、柳川に3点目が入る。
0-3で迎えた6回裏、筑前は初めて先頭打者を出す。2番熊谷のタイムリーで1点を返すと、4番朝倉のタイムリー、5番日南の犠飛で一気に同点に追いつく。
7回表、柳川は三者凡退。7回裏、筑前も三者凡退。
どちらも、勢いに乗ることができない。
試合シーン02
8回表、筑前はマウンドに下津浦を送る。代わった下津浦が、先頭の2番内野死球を与えてしまう。柳川は犠打でしっかり送る。続く松尾(健)がエラーで出塁すると、5番浜本の1球目、キャッチャーからセカンドへの送球がそれてしまい、三塁走者の内野が生還。4-3となる。
これで試合は決まったか……そう思えたが、筑前もまだまだここでは終われない。
8回裏、2アウトから2番古屋が四球で出塁すると、盗塁と4番朝倉、5番日南の連続安打で再び同点とする。
もちろん、柳川もこのままでは終われない。先頭の7番糸稲がヒットで出塁すると、犠打で1アウト2塁のチャンスを作る。9番大塚のライト前ヒットで糸稲はホームを目指すも、好返球に阻まれる。しかし、1番井上が二塁打を放ち、5-4となる。
9回裏、2アウトから9番末永、1番濱地の連続安打でチャンスを作るも、そこまで。
「今は、この程度です。これから、夏に向けて頑張りますよ」
そう語る筑前波多江監督の言葉を信じて、夏を楽しみにしたいと思う。
(文・撮影=鎌倉 彩)