試合レポート

明秀学園日立vs常総学院

2017.05.03

秋の王者・明秀学園日立が常総学院を7回コールドで圧勝!4番・若松祐斗は2試合連続アーチ!

明秀学園日立vs常総学院 | 高校野球ドットコム
2試合連続ホームランの4番・若松

 春季茨城県大会2回戦ながら、昨秋の王者・明秀学園日立と昨夏の王者・常総学院が激突。昨夏の決勝以来となる注目のカードを迎えた。

 昨秋の両チームは明暗がはっきりと分かれた。明秀学園日立は先述のとおり秋の県大会を制し、今春は地区予選免除かつ県大会でシードとなった。一方、常総学院はシードで迎えた秋の県大会初戦(2回戦)で、強打を誇る常磐大高に敗れて公式戦未勝利に終わり、今春は6年ぶりに県南地区予選からスタートを切った。

 シード・明秀学園日立は県大会1回戦で好投手・上林 賢士郎擁する水戸葵陵を6対1で退けた。対する常総学院水海道一を7回コールドで下している。

 先攻・常総学院の先発は背番号11の左腕・鈴木 重寛(3年、国立中央シニア)が、後攻・明秀学園日立の先発は背番号1の右サイド・粂 直輝(3年、長野中)が任された。

 1回表、常総学院の先頭・陶山 勇軌(3年、城南ボーイズ)がセンター前ヒットで出塁し、送りバントと盗塁。さらに4番・宮里 豊汰(3年、中本牧シニア)は四球で二死一、三塁のチャンスを迎えるが、5番・野澤 翔(2年、水戸東シニア)は空振り三振に倒れる。

 ピンチを切り抜けた明秀学園日立は1回裏に圧倒的な攻撃力を見せつける。先頭の原 光貴(3年、磐崎中)がライト前ヒットで出塁し、パスボールと送りバントで一死三塁から、3番・芳賀 大成(2年、塙中)のレフト前タイムリーで1点を先制する。さらに4番・若松祐斗(3年、大阪福島シニア)がレフトスタンドにホームランを放って2点。二死から今度は6番・増田 陸(2年、大阪福島シニア)がレフトスタンドにホームランを放ち一挙に4点を奪う。

 常総学院はたまらず2番手に背番号1の右サイド・柴山 尚輝(3年、土浦三中・オール茨城)を送り後続を断つ。

 大量リードを奪われた常総学院は2回表、四球と送りバントで二死二塁のチャンスを作るが、9番・田口 岳(3年、松戸中央ボーイズ)はファーストゴロに倒れ、もどかしい攻撃が続く。

 2回裏、明秀学園日立は二死満塁のチャンスを迎えるが得点できなかったが、3回裏、明秀学園日立は先頭の5番・高橋 成行(3年、なめがたシニア)が逆方向のレフトスタンドにホームランを放ち、その差を5点とする。

 早いうちに1点でも返しておきたい常総学院は4回表、二死から四球と8番代打・吉田 秀磨(3年、富勢中・千葉ファイターズ)のライト前ヒットで二死一、三塁のチャンスを迎えるが、得点ならず。


 4回裏、常総学院は3番手に背番号10の右腕・小林 克弘(3年、土浦霞ヶ浦ボーイズ)を送り無失点で切り抜ける。

 小林の好リリーフで流れを切り替えたい常総学院は5回表、死球と3番・手塚 駿(3年、城南ボーイズ)のレフト前ヒットで一死一、二塁のチャンスを作るが、後続は内野フライに打ち取られ、あと1本が出ない。

 5回裏、明秀学園日立が追加点を奪う。先頭の4番・若松が泳ぎながらもバットの先で合わせてセンター前ヒットで出塁し、送りバントで二死二塁から、7番・池田 陵人(2年)のライト越ツーベースで1点を追加する。さらにワイルドピッチと四球で二死一、三塁から、牽制がボークとなり1点を追加しその差を7点に広げる。

 じわりじわりと点差を広げられ流れを引き寄せられない常総学院は6回表、先頭の6番・佐々木 風人(3年、取手シニア)がライト線ツーベースでチャンスを作るが、進塁できずにこの回を終わる。

 7点差で後がない常総学院だが、7回表は三者凡退に倒れ7回コールドで試合終了となる。

 シード・明秀学園日立の投打ががっちりとかみ合い、常総学院を全く寄せ付けずに完勝。金沢 成奉監督は明秀学園日立を率いて以来、常総学院の壁を一度も破ることができなかったが、ついにその牙城が崩した。金沢・明秀が茨城の覇権を手繰り寄せる歴史的な勝利を収めた。

 明秀学園日立の強打が強烈なインパクトを残した。なかでもプロからもリストアップされる4番・若松 祐斗は2試合連続アーチで圧倒的な存在感を見せつけた。さらに6番・増田 陸、5番・高橋 成行とホームランが飛び出し衝撃的な試合展開となった。

 エース・粂 直輝常総学院打線を7イニングで散発4安打無失点に封じた。4回表には強烈なピッチャー返しが粂の足に当たり、10分ほど治療を要するアクシデントに見舞われた。降板もやむなしかと思われたが、その後も続投しマウンドを守り抜いた。

 常総学院は公式戦2勝で夏を迎えることになった。
チャンスはあったがあと1本が遠かった。バッテリーエラーが目立ち簡単に進塁を許していた点や投手の細かなコントロールなど、今後修正を要する点もある。「常総学院がこのままで終わるはずがない」とは誰もが思っている。夏までの短期間にさらなる進化を、常総学院であればきっとできるだろう。

(文・写真=伊達 康)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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