湯船につかって疲労回復を促し、コンディションを整えよう!

 サウナで体を「整える」という表現がよく使われるようになりました。熱いサウナと冷たい水風呂を繰り返し、体の状態がよくなったと感じることを指すようですが、野球選手の皆さんにとっては日頃から入浴で体を「整える」習慣を持つようにしたいですね。

 練習や試合後に感じる疲労には主に肉体的な疲労と、中枢性疲労(精神的な疲労)が挙げられます。激しい運動やトレーニングを行うと、筋肉が疲労して思うように動けなくなります。それと同時にプレッシャーやストレスを感じたり、集中力を発揮したりと脳が緊張を強いられている状態が続くと、中枢性の疲労がたまってしまいます。疲労回復にはエネルギー源の補給と質の良い睡眠が欠かせませんが、睡眠の質を高めるために入浴は大きな役割を担います。

●基本は湯船につかること

 疲れてお風呂に入るのが面倒だな…という日もあると思いますが、なるべく湯船につかって体を温めるようにしましょう。湯船につかったときに起こる体への影響をご紹介します。

1)温熱効果によって血管がひろがり、血流が増加して疲労物質の分解・代謝を促す。
2)水圧によって手足やふくらはぎなど体の末端部分にまで血液が行き渡る血流循環のサポート
3)水圧によって横隔膜が押し上げられて肺の容量が減少し、自然と呼吸数が増えて、心肺機能を高めることに役立つ。
4)浮力によって筋肉を重力から解放し、リラックス効果とともに筋の緊張を和らげる。

 このほかにも湯船につかった入浴は二つの自律神経にも影響を及ぼします。交感神経は活動時に優位になる「アクセル」の役割、副交感神経は落ち着いたときに優位になる「ブレーキ」的な役割を持ちますが、疲労回復を促すためには副交感神経がより働く、少しぬるめのお湯につかるようにします。冬の時期であれば40℃、夏は38℃程度の「ややぬるいかな」と感じる程度を目安に、自分にあった湯温に調整して入浴しましょう。また短い時間では体の表面のみしか温まらないため、なるべく10分程度は湯船につかり、うっすら汗をかくぐらい体を温めることが理想的です。

●湯船につかれない時は洗面器を活用

 湯船につかれない時は洗面器やバケツなどにお湯を張り、手入浴・足入浴を行うようにすると温熱効果によって血管がひろがり、体全体を温めることができます。遠征や移動などでシャワーのみというときは活用してみてください。

 疲れた時はシャワーなどで汗や汚れを流す程度で済ましてしまいがちですが、入浴は体のコンディションを整え、疲労回復にも効果が期待できるものです。ぜひセルフコンディショニングの一つとして習慣にしていきましょう。

文:西村 典子
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