片足で安定して立てますか
安定して片足で立つことはパフォーマンス向上、ケガ予防に欠かせないもの
野球では両足がそろった状態で力を発揮する場面よりも、片足で立った状態、もしくは片足荷重から重心移動を行いながら力を伝えていく場面が多くあります。投球動作ではマウンドで立ったときの軸足の安定がフォームを大きく左右しますし、バッティング動作では軸足から踏み込み足への重心移動によって力を下肢から体幹、上肢へと伝えてスイング動作を行います。片足で安定して立つことができないと、姿勢が崩れやすく、フォームにバラツキが出てしまってパフォーマンスを落としてしまうことになりますし、フォームが崩れることによって肩痛や肘痛を起こすこともあります。肩や肘を傷めてしまう選手の中には、片足立ちがうまくできないという選手も少なくありません。
まずは片足で安定して立つことができるか確認してみましょう。片足バランステストとして両腕を胸の前でクロスさせ、片足をもう片方の足の膝の高さまで挙げます。そこで静止してみましょう。最大30秒を基本として左右ともにチェックしてみます。これができたら今度は目を閉じた状態で同じように行います。目からの情報がない状態ではかなり難しいと感じるかも知れません。片足で立つときは足のかかと、拇指球(親指の付け根)、小指球(小指の付け根)の3点がしっかりと地面に接地し、その中に重心がないとバランスを崩しやすくなります。
片足で安定して立つためのエクササイズはいくつか挙げられますが、安定して体重を支えるようになるまでは自体重で行い、自体重のエクササイズが安定してできるようになったら負荷をかけてトレーニングを行うようにしましょう。片足で安定して立つことに慣れてきたら、両手を目の高さに挙げ、それぞれ親指を立てて(いいねポーズ)頭を動かさずに目だけを左右交互に動かすようにすると、目と手の協調性を鍛えるビジョントレーニングとしても役立ちます。この他にもバランスディスクやバランスボードを用いると、より不安定なところでの下肢支持能力を鍛えるトレーニングとなります。
片足で体を支えるだけの筋力やバランスを養うことは、肩痛や肘痛の予防にもつながり、パフォーマンスの向上も見込めるものです。片足で安定して立てるように繰り返しトレーニングを行うようにしましょう。
文:西村 典子
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