練習や試合を行う前に欠かせないのが心身の準備として行うウォームアップです。ウォームアップは文字どおり「体を温める」こと。さまざまなエクササイズを実施しながら筋肉や関節の動きをよくし、ケガの予防やパフォーマンスの向上に役立てるものです。これからは暖かい日が多くなるため、ウォームアップは冬の寒い時期に比べると短い時間で実施することができるようになるでしょう。

 チームによって採用するエクササイズやプログラム(順番など)は変わってくると思いますが、共通していることは血流を促して体を温め、筋温を高めたり、関節の可動域(関節の動く範囲のこと)を拡げたりすることです。じんわり汗をかく程度に行うことが理想的ですが、これは体温が上昇するに伴って、その体温を下げようとする体の機能によるものなので、ある程度体温が上がった目安とも言えるでしょう。

 全身に血流を送り出すためには、安静時よりも心拍数を上げる必要があります。心拍数は自律神経によってコントロールされますが、激しい動きを伴うほど心拍数も上がりやすくなります。ジャンプを伴う動作は比較的短時間で心拍数が上がるものですが、まだ体が十分に準備できていない段階で実施してしまうとケガをすることがありますので、ウォームアップの後半やダッシュとの組み合わせの中で採用すると良いでしょう。この他にもサーキットトレーニングのように立ったり、座ったり、うつ伏せになったり、起き上がったりと、さまざまな姿勢を組み合わせることも効果的です。

 ウォームアップの時間が長くなったり強度が上がりすぎると、心拍数が急激に上がって「息が上がる」ような状態になってしまうことがあります。こうなると今度は体力的な疲労の回復に時間がかかってしまうことがあるため、選手の状態を見ながら時間やエクササイズを選択していくことが大切です。その日のコンディションや天候などによってもプログラムを微調整するようにしましょう。隣の人と会話をすることができるレベルの心拍数を維持しながら、メインの練習や試合に向けて万全の準備を行うようにしてみてくださいね。

文:西村 典子
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