チューブの特性を知ろう
チューブの特性を活かしてトレーニングを行ってみよう
皆さんはゴムチューブを使ったトレーニングを行ったことがありますか。プロ野球選手などがチューブを使ったトレーニングを行うシーンはわりとよく見かけるものだと思いますが、最も知られているのは肩のローテーターカフ(いわゆるインナーマッスル)に関するトレーニングではないかと思います。なぜ肩のトレーニングにチューブがよく使われるのか、その特性についてまとめておきましょう。
【チューブトレーニングのメリット】
・場所をとらずに実施することができる
・比較的手軽に手に入れやすく、安い
・自分で負荷を調整することができる
【チューブトレーニングのデメリット】
・負荷が一定ではなく、引っ張るほどに負荷が大きくなる(終動負荷:しゅうどうふか)
・関節可動域(関節の動く範囲)すべてを使った動きがしにくい(途中でやめてしまう)
・高い運動強度を維持しにくい
・消耗品ゆえに破損しやすい
よく言われることが「引っ張れば引っ張るほど強度が強くなるため、野球を始め多くのスポーツの力発揮メカニズムとは違ってくる」ということです。またゴムの張力による運動強度には限界があり、あまりムリをして引っ張りすぎるとゴムが切れて破損したり、それによってケガをしたりすることも考えられます。さらに強い負荷に対して自分で動作をやめることができますが、関節の持つ可動域を使い切れない(大きな動作にならない)といったことも考えられます。
肩のインナーマッスルを強化するためにチューブを使うことは比較的やりやすく、チューブの特性を活かしたトレーニングの一つと言えるでしょう。その際はあまり大きな負荷をかけることなく、肩の可動域全般を使ってトレーニングを行うことを心がけましょう。インナーマッスルにかかる強度は大きな筋肉群に比較すると小さなものでも十分なトレーニング効果が期待できます。以前にご紹介したコラムもぜひ参考にしてみてください。
参考コラム)
正しくインナーマッスルを鍛える(2)
正しくインナーマッスルを鍛える(3)
文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!