今一度確認しておきたい「サプリメント」と「ドーピング」
食品は全ての成分を表示しているわけではないので、そのサプリメントは必要かどうか改めて考えよう
先日プロ野球選手が使用しているサプリメントに微量のドーピング禁止物質が混入していたことが発表されました。こうした物質をとったからといって即座に健康を害するものではありませんが、スポーツの世界ではフェアプレーを守るために、必要以上に競技力を高める薬や方法(=ドーピング)を禁止しています。ドーピングをしてはいけない理由をおさらいしておきましょう。
《なぜドーピングをしてはいけないのか》
1)フェアなスポーツ精神に反し、スポーツの価値を損ねる
2)選手の健康を害する
3)社会的に悪影響をもたらす
同じ舞台に立ったときに薬剤やさまざまな方法を使って不自然に競技力を上げていた選手がいると、公正な競技結果は生まれません。それは勝負を決するスポーツの価値そのものを損ねることになります。さらにはドーピングによって選手自身の健康に悪影響を及ぼすこと、薬剤への抵抗感が減ることによって、将来的に麻薬や覚醒剤を容認しやすくなることなどが問題として挙げられます。そしてこれは故意的かどうかに関わらず制裁の対象となります。
医薬品は法律で成分表示を行うことが義務づけられていますので、服用前に医師や薬剤師、検索サイトなどで確認し「うっかりドーピング」を防ぐことができますが、サプリメントに関しては食品に分類されるため主な成分表示のみにとどまり、すべての成分が表示されるわけではないことを覚えておきましょう。表示されていない成分に禁止物質が入っていた…というケースも考えられます。栄養ドリンクなども同じく食品に分類されるため、同じようにドーピング違反になるリスクが存在します。そしてこうしたドーピング違反の責任は製造元や販売店ではなく、アスリートの自己責任になります。
ドーピング検査を受ける一部のアスリートだけが気をつけるべきものではなく、スポーツを行うすべての選手がスポーツの価値を守るために取り組まなければいけないアンチ・ドーピング活動。サプリメントにはドーピング違反になるリスクがあり、それを摂った場合の責任は自分にあることを自覚しましょう。その上でサプリメントは本当に必要なものなのか、食生活から見直すように大切です。
文:西村 典子
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