昼食後の眠気はなぜ起こる?
牛丼などの単品ものは食後に眠気を誘発しやすい。野菜や汁物などを付け足そう
高校生の皆さんはお昼ごはんに何を食べていますか? お弁当を持参する人もいれば、学校内の食堂で食べる人、コンビニなどで購入する人などさまざまだと思います。そして昼食後の授業は睡魔に襲われる…という人も少なくないでしょう。日中の活動エネルギーを補給するために欠かせない昼食ですが、どうして食後は眠くなってしまうのでしょう。
もともと人間の体には生体リズムが備わっており、眠気は夜中の午前2〜4時、お昼の午後2〜4時の時間帯にピークに達すると言われています。午後の時間帯はちょうどこの時間に当てはまるため、どうしても眠くなりやすいことが考えられます。また午前中に激しく動いたり、集中して勉強していると脳が疲労を感じるようになって休息を求めるようになります。さらにここに昼食が加わることで食事後の血糖値が上がるため、体の中ではインスリンというホルモンを分泌して血糖値を下げようと働きます。体の覚醒状態が下がり、眠気を感じるようになるのは血糖値の急激な上昇と降下によるものや、食事後の満腹感などがその一因として考えられます。
昼食についつい選んでしまうのが牛丼やラーメンといった「単品もの」ではないでしょうか。手軽に食べられる便利なものではありますが、その栄養素のほとんどが糖質で占められるため、血糖値の急上昇・急降下を引き起こしやすくなります。また「単品もの」はどうしてもその一品のみを食べ続けるため早食いになりがちです。こうしたものを選ぶ場合は野菜などの付け合わせと一緒に食べるようにしたり、お味噌汁などの汁物などもうまく活用すると栄養バランスの偏りも改善できます。
「どうしても眠気に襲われて寝てしまう…」という場合はあらかじめお昼休みに短い昼寝をする、もしくは昼食時の糖質を少し控えめにし、その分練習前の時間に補食としてとるようにすると良いでしょう。早食いにならないようよく噛んで食べることも大切です。昼食後の眠気対策として昼食の取り方や食べ方などぜひ工夫してみてくださいね。
文:西村 典子
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