肩下がりの姿勢を改善しよう!
投手は特に投げ終わった後に背中のトレーニングを行って、背中の緊張をほぐすようにしよう
立った姿勢を正面からチェックしてみると片方の肩の位置が下がっていることに気づいた経験はありませんか。野球などに代表される左右非対称の動作を繰り返すスポーツでは、利き腕側の肩の高さが反対と比べて下がった状態になっていることがあります。友人に正面や背面から姿勢をチェックしてもらうことでもわかりますし、自分で鏡を使ってセルフチェックすることもできます。
右投げ選手を例にとって考えてみましょう。右投げ選手は毎回投球動作で右腕を使うため、左右で筋力や柔軟性のバランスが崩れやすいと考えられます。特に背中の右側の筋肉(広背筋)が張っていると、右肩は下方へと引っ張られてしまい、見た目の姿勢としても右肩が下がった状態になってしまいます。肩関節そのものがゆるい場合は、上腕骨が下方に位置していることも考えられますが、多くの場合は背中や肩後方部の筋肉群が緊張し、肩甲骨の位置を下げていることがその原因として考えられます。肩甲骨は筋肉によって正しい位置に保持されているため、筋肉の状態によってその位置が変化してしまうのです。このような状態では肩の可動域にも制限がみられ、投球動作にも支障を及ぼすようになることが考えられます。
「肩が下がっている」と気づいた場合はまず正しい姿勢で立つことが出来ているかどうかを確認しましょう。左足重心で傾いて立っていないか、猫背の姿勢になっていないかといった基本的なことをチェックします。そこから下がっている側の背中、肩後方部を中心にしっかりとストレッチを行いましょう。また反対側の肩は僧帽筋が緊張して上がりやすくなっているため、首を傾けて首周辺部のストレッチもあわせて行うようにします。さらに投球動作を繰り返し行った後は肩関節が前方にシフトしやすいので、背筋を中心としてチューブなどで前から後ろにひきつける動作を行い、クールダウンを兼ねて投球動作と反対の動きを取り入れることも大切です。
文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!