O脚と起こりやすいケガ
立位でのバランスが悪いと内転筋をうまく使えず、O脚傾向になることがある。
両方の内くるぶしをつけた状態で立ってみると、膝の部分にすき間があいていることがあります。立った姿勢で膝の内側にすき間があり、そのすき間に指2本以上入る場合を一般的に「O脚」と呼び、逆に膝が内側で接しているのに内くるぶしが離れてしまっている状態を「X脚」と呼びます。これらは骨の構造などによる先天的なものと筋力不足や姿勢の悪さによる身体のゆがみなどが原因となって起こることがあります。
日本人の多くはO脚傾向にあるといわれていますが、これは太ももの内側の筋肉(内転筋など)がうまく使えていないため筋力低下が起こり、膝が外側に開いてしまいやすいことや、お尻の筋肉が硬くなってしまい、いわゆる「がに股」状態でバランスをとってしまうことから膝の内側にすき間ができてしまうといったことが挙げられます。
また普段、常に足をどちらか一方だけ組むような姿勢を好んだり、背中が丸まった猫背の姿勢では膝が常に曲がった状態となって身体のバランスを崩しやすくなると考えられます。
O脚の選手は太ももやすねの外側に体重がかかりやすく、運動量が増えるに従って膝の外側を中心にトラブルが起こりやすくなります。代表的なものには膝の外側にある靱帯を痛める腸脛(ちょうけい)靱帯炎や、脛の外側に強い張りを感じたり、場合によっては足底筋膜炎など足の裏に痛みを生じることもあります。普段使っている靴底をチェックし、外側の摩耗が激しいかどうかを確認しておくことも大切です。
外側に荷重がかかりやすい選手は内転筋をしっかり鍛えることや、臀部の筋力強化とともに柔軟性についてもストレッチなどで改善しておくようにしましょう。
お尻の筋肉が硬いとつま先が外側に向きやすくなり、結果的にO脚状態になりやすくなります。また拇指球に体重をのせるイメージを持ちながら意識的にランニングフォームなどを確認することも必要になってくると思います。見た目だけではなくスポーツ障害を予防するためにも適切なエクササイズとストレッチを行い、過度なO脚傾向を改善させるようにしていきましょう。
文:西村 典子
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