「薩摩おいどんカップ2023」開催 カテゴリー越えハイレベルな野球を鹿児島で
記者会見出席者による集合写真
鹿児島でキャンプを張る社会人、大学野球チームなどが交流戦をする「薩摩おいどんカップ2023」が2月23日から3月12日まで鹿児島市の[stadium]平和リース球場[/stadium]などで開催される。1月13日は鹿児島市のサンロイヤルホテルで開催発表の記者会見があった。
交流戦にはENEOS、トヨタ自動車など社会人10、火の国サラマンダーズなどクラブ5、亜細亜大、慶應義塾大、東京大など大学18の計33チームが参加。NPB球団も参加を予定している。平和リース、姶良球場(姶良市)、伊集院球場(日置市)、薩摩川内野球場(薩摩川内市)の4球場を会場に、84試合を開催する予定だ。社会人、クラブ、大学のカテゴリーを越えたイベントは例がなく、注目のイベントになりそうだ。
2月23日の姶良球場開幕戦ではトヨタ自動車と亜細亜大、昨年の社会人と大学の日本選手権優勝チーム同士が対戦するなど、カテゴリーを越えたハイレベルなチーム同士の対戦が組まれている。姶良市出身の栃木ゴールデンブレーブス・川﨑宗則内野手(鹿児島工出身)が大会アンバサダーを務める。
「目的は鹿児島の競技力向上と野球の普及」と実行委員長の小薗健一さん。姶良市で長年キャンプを張る亜大の生田勉監督が「鹿児島に恩返しをしたい」と大学、社会人、プロのカテゴリーを越えた交流戦の構想を持ち、親交のある小薗さんが応え有志で実行委員会を立ち上げた。「参加する各チームが『来て良かった』と思えるイベントにすることが第一。その上で鹿児島の野球関係者が垣根を越えて野球の普及や競技力向上に取り組む土台を作りたい」と語っていた。
実行委員長の小薗健一さん
地元・鹿児島からは鹿児島ドリームウェーブ、薩摩ライジング、鹿屋体大、鹿児島大、第一工科大、鹿児島国際大が参加する。会見に参加した各主将らは、普段対戦できない大学、社会人との対戦を楽しみにしており、野球の普及活動、地域交流などにも積極的に参加したいと張り切っていた。
18日間、県内外から多くの野球関係者が参加するため、観光など地域振興のイベントとしての可能性も秘める。
塩田康一知事は「子供たちに夢や感動を与え、スポーツ振興につながることを期待している」と述べた。「例年2月は観光客が減少する時期」と鹿児島市の下鶴隆央市長。「コロナ禍から観光・鹿児島を復活させる起爆剤にしたい」と期待を寄せていた。薩摩川内市の田中良二市長は「アフターコロナの大規模な交流人口創出へ画期的なイベント」と評し「秋の鹿児島国体につながる春風としたい」と語った。日置市の永山由高市長は「部活動の地域移行が大きなテーマとなる中で、スポーツをする、見る文化の層を厚くしていく良い機会になる」と言う。姶良市の湯元敏浩市長は「地方都市ではハイレベルなスポーツを見られる機会が少ない。ハイレベルな野球が見られるのは大人も子供も楽しみ。全市を挙げて応援したい」と大会に寄せる想いを語っていた。
(取材=政 純一郎)