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第104回 全国高等学校野球選手権大会

 第104回全国高校野球選手権がいよいよ6日から、阪神甲子園球場で開催される。49代表が頂点をめがけて熱い戦いを繰り広げるが、チームとしてはもちろん、1人1人の球児にとっても大きな意味がある舞台でもある。ファンにとっては、チームの勝ち負けとともに、どんな選手が活躍し、輝くのだろうかという点にも注目していることだろう。

 今年も甲乙つけがたい逸材ばかりが登場するが、注目選手を投手と野手で1人ずつ挙げなさいと言われると、個人的な好みではあるが、投手では日本文理(新潟)の田中 晴也投手(3年)、打者では興南(沖縄)の禰覇 盛太郎外野手(3年)の名前を挙げたい。

 田中投手については、すでに昨年から甲子園でデビューするなど実績があり、プロのスカウトからも「ドラフト1位指名候補」として注目されている。186センチ、92キロの体格から最速150キロを誇る直球を投げる。プロのスカウトが好きになる「サイズ」と「スピード」の要素がそろっている。しかし、個人的に「イチオシ」したいのは、流れるようなフォーム。力感がなく、それでいて体全体を大きく使って、リリースの瞬間に最大限のパワーが導き出されている。体幹がしっかりしているのか、体の軸がぶれることなく、1球1球、まったく同じフォームで投げているように映る。それだけフォームが自然に身についている証拠なのだろう。野球記者として30年以上、高校野球からプロ野球まで選手を見てきたが、こんな「素敵な」「お手本」のようなフォームは初めて見た。だから、プロ野球選手に例えると誰に似ているかなと思ったりもしたが、思い浮かばない。個人的にはこの投球フォームに惚れ込んでいる。

 初戦は第3日の第1試合、長崎の海星と対戦する。九州でも強打者をそろえているチームだけに、どんな投球を見せてくれるか。

 打者では、禰覇が「一番見たい」選手だと思っている。今夏、沖縄大会の初戦から3戦連続本塁打をマークした。史上初の4戦連発こそできなかったが、最大限に引き付けてから高速スイングする姿には、スラッガーとしての将来性を感じる。

 私が「好み」として推している大きな理由は、構えにある。バットを寝かせて構えるその姿は、その昔、西武、オリックス、ソフトバンクで活躍したアレックス・カブレラ内野手を思い起こさせる。構えた時、バットのヘッドよりもグリップが上にくるほどで、バットを寝かせるというより、かついでいる。そして、右肘を高くあげ脇を大きく広げている。インパクト時に右腕の力が球に伝わりやすくしている。沖縄大会で放ったアーチでも右中間への当たりが一番、禰覇らしさを象徴していた。右手が使えるから逆方向へ飛ばせている。

 さらに俊足もある。沖縄大会決勝では、遊撃手の横をするどく抜ける打球で、禰覇は一塁から一気に本塁を陥れた。176センチ、75キロと均整のとれた体つきでセンターの守備でも生かされるスピードも兼ね備えたスラッガー。興南の試合では、彼から目が離せない。

 初戦は第3日第4試合、相手は市立船橋。千葉を制した投手陣にどんな打撃を見せてくれるのだろうか。

 奇しくも田中と禰覇は同じ第3日に登場する。甲子園は夏のスター誕生を心待ちにしている。

(記事=浦田由紀夫)