九州国際大付 2年生怪物スラッガーの真価が問われる初戦
佐倉 侠史朗(九州国際大付)
日程・結果一覧
・2022年夏(第104回甲子園)の抽選結果
・第104回大会 全国47都道府県地方大会の日程一覧
・甲子園注目選手
第104回全国高校野球選手権(6日開幕、阪神甲子園球場)の組み合わせが3日、決まった。実力校同士の白熱した戦いに期待が高まるが、大会第6日の第3試合、福岡代表の九州国際大付と、高知代表の明徳義塾の対戦が非常に楽しみだ。
九州国際大付には「怪物」と言われる高校通算21本塁打の2年生スラッガー、佐倉侠史朗内野手がいる。昨年秋は4番に座っていた。福岡を制し、九州も制し、明治神宮大会4強に導いた主砲だ。今センバツも経験し、今夏は4番ではないが本塁打をマークするなど、チームの勝利に貢献してきた。
体重100キロを超える体格ながら、力任せのスイングではなく、ミートする技もある。場面に応じた打撃ができるのも魅力で、割と器用な方だと思っている。当たればもちろん飛距離は出る。打席に入るだけでワクワクするような打者だ。果たして明徳義塾の投手陣相手に、どこまで力を発揮できるか。
明徳義塾には左腕の吉村優聖歩(ゆうせふ)投手(3年)がいる。左のサイドハンドから切れのある直球を投げる。もちろん、左打者への攻めも得意で、外角のスライダーも相当切れる。プロ野球の世界なら、間違いなく左打者対策のワンポイントとして起用される典型的な左サイドハンド投手。その「難敵」を佐倉はどう打つのだろうか。
昨年秋の明治神宮大会準決勝。九州国際大付は大阪桐蔭と対戦した。結果は敗れたが、佐倉は2回の先頭打者として本塁打を放った。しかも、相手は大阪桐蔭が誇る最速148キロの2年生左腕、前田悠伍投手である。カウント2-2からの直球を右翼席へ持って行った。「怪物」ぶりを証明してみせたが、実はその後の2打席はともに三振に打ち取られた。「自信と課題」。最高レベルの「同級生左腕」と対決して感じた2つの要素を胸に、どんな投手が相手だろうと打てるように、この夏に向かってきたに違いない。その答えがこの夏、甲子園の初戦で出ることになる。
九州国際大付と明徳義塾は互いにストライプのユニホーム。常に勝利を義務付けられているような私学強豪。監督も名将・馬淵監督に、元プロの楠城監督の采配対決など、見どころ満載の対決だが、「吉村VS佐倉」、この1点だけは見逃さないようにしたい。