東都大学野球連盟に所属する立正大。近年では2018年の明治神宮大会で優勝。これまで1部リーグ優勝も2度経験している。

 プロの世界にも西武・西口文也氏(県立和歌山商出身)や日本ハム・武田勝氏(関東一出身)がコーチをしており、現役ではオリックス・黒木 優太投手(橘学苑出身)や楽天・小郷 裕哉外野手(関西出身)などを輩出している。

 立正大は先日、4月からの新入生を発表した。常総学院秋本 璃空投手、大阪桐蔭田近 介人捕手など甲子園に出場した全国区の選手たちの名前が並ぶ中で、注目したい投手の名前がある。

 水城から立正大の門を叩く樫村 佳歩投手。身長167センチと小柄な体格ではあるが、最速150キロを計測したことで一気に注目が集まった速球派右腕だ。以前、チーム取材で水城のグラウンドに足を運んだ際も樫村は大学に向けて練習をしており、ブルペンでも自慢の速球を投げ込み、ミットの乾いた音をグラウンドに響かせていた。

 目測で十分に速さを体感できたが、その素顔を「笑顔が絶えずに、よく人と話をしている子です」と3年間指導してきた関根監督は話す。実際にグラウンドでの立ち振る舞いを見ていると、関根監督の言う通り明るい性格だが、練習に取り組む姿勢は真剣そのものだった。

 関根監督も樫村の良さであると同時に、気を付けていた部分だという。

「野球になるといつも以上に真面目になってしまうので、言われたこと以上をやろうとするんです。私の中では、それでケガしてしまうのが怖かったです。
樫村ほどのポテンシャルを持った選手に会ったのは初めてで、彼の場合は大学以降も活躍できると思ったんです。だからケガさせないように練習だけではなく、試合で起用するときも気を付けていました」

 球数なども懸念しながら3年間育ててきたという関根監督。そのおかげもあり、大きなケガをすることなく球速を順調に伸ばし、最速150キロまで到達した。これには関根監督も想像以上の成長だったと振り返るが、樫村の性格を踏まえると驚きはそれほど大きくない。

「真面目なだけではなく、彼は自分で考えて練習に対して探求心、意欲をもって取り組んでいたので、球速が伸びたんだと思います。実際、走り込みやトレーニング、特にウエイトトレーニングは好きなので、入学当初に比べて体の厚みが変わりましたね」

 練習に対して考えをもって取り組むということについては、樫村も「水城は選手1人1人が自覚や意識をもって練習に取り組むところがあり、そこを3年間で一番学んだと思います」と話している。

 167センチと小柄でも、150キロを計測する注目投手へ成長できたのは水城の練習環境が少なからず関係していた。そんな水城の3年間を樫村は「監督の話を聞きながら、高校野球3年間を過ごして間違いなかったと思います」と恩師への感謝の思いを言葉にした。

 春からは逸材揃う戦国東都へ舞台を移す。関根監督は「活躍が楽しみです」と話すが、まず2部でリーグデビュー。そして、相手打者を圧倒するような投球を見せてくれることを楽しみにしたい。

(記事=田中裕毅)