異例だった夏の甲子園を用具のトレンドで振り返ってみると…
智辯和歌山の優勝で幕を下ろした第103回全国高等学校野球選手権大会から、早くも1か月近くが過ぎた。各地で今度は来春の選抜を目指して、選手たちは日々汗を流している。秋季大会を勝ち抜き、各地の地区大会、そして神宮大会と進出をするのはどのチームなのか。ニューヒーローの誕生に合わせて、動向は非常に気になるところだ。
夏の甲子園はこれまでにない異例の大会だったが、それは大会運営にとどまらない。選手たちの足元も変化してきたのだ。
2020年から試合での使用が認められるようになった白スパイクを着用するチームが非常に増えてきた。優勝した智辯和歌山をはじめ、初の決勝進出となった智辯学園。さらには専大松戸も白く眩しいスパイクを着用して、颯爽に聖地甲子園を駆け抜けた。
地方大会でも見かけることが増えて、逆にこれまで統一されていた黒のスパイクを履いているチームの方が珍しくもなりつつある。そこで高校野球ドットコム編集部で独自に甲子園大会のカラーの割合を振り返ると、驚きの結果が見えた。
白黒スパイク
白スパイク:85.7%(49校中42校)
黒スパイク:14.3%(49校中7校)
ほとんどのチームが白スパイクを採用しているという結果が出てきた。
黒スパイクに比べると、足元の涼しさが一番の違いだと言うことは現場からも実際に各メーカーの調べでも発表されていることだが、使用が認められてわずか1年で甲子園出場校の大半が履いているのは、現在のトレンドの中心になっているといっていいのではないだろうか。
それに合わせて、各チームがどのメーカーのスパイクを着用しているのか。メーカーのトレンド傾向も調べてみたところ、以下のような結果になった。
スパイクシェア
ミズノ:32.7%(49校中16校)
アシックス:26.5%(49校中13校)
SSK:20.4%(49校中10校)
ゼット:16.3%(49校中8校)
その他:4.1%(49校中2校)
上記の結果により、メーカー別の使用率をみるとミズノがトップだった。ミズノといえば、侍ジャパンでも活躍した坂本 勇人(光星学院出身)や村上 宗隆(九州学院出身)などが契約選手にいるが、球児たちからの信頼も厚い結果となった。
2番手として追随するのはアシックス。続いて、SSK、ゼットの順となった。
また、グラブの結果を振り返ると、球児たちのトレンドが見えてくる結果が出てきた。
グラブシェア
ミズノ:44.9%(49校中22校)
ゼット:18.4%(49校中9校)
SSK:12.2%(49校中6校)
アシックス:12.2%(49校中6校)
その他:12.2%(49校中6校)
グラブの使用率は、契約選手でも菊池 涼介(武蔵工大二出身)、藤田 一也(鳴門第一出身)などの守備力の高い選手に愛されているミズノが49校中22校でトップの使用率となった。
2番目に多かったのはゼット。続いて、同率でアシックス、ゼットの順となった。
球児たちをはじめ、多くの野球ファンのために各メーカーが新たな製品を生み出そうと日々試行錯誤を繰り返して商品開発を続けている。今度はどんな道具で球児たちの心をワクワクさせてくれるか。そんな期待に胸を膨らませるのもいいのではないだろうか。