吉田 輝星(金足農)

 雨で3日連続順延となった今夏の甲子園。8月15日の第1試合ではドラフト上位候補の風間 球打を擁する明桜が4対2で帯広農を下した。

 エース風間は1人で投げ抜き9回2失点、10奪三振の内容。圧倒的な内容ではなかったものの、ドラフト上位候補の片鱗は見せている。今後の活躍、またその他の選手の動向次第ではあるもの、プロ志望届を提出すれば、ドラフト1位指名の可能性も十分にありそうだ。

 さて、秋田県の高校出身者でドラフト1位、またそれに準ずる指名を勝ち取った選手は過去にどれだけいたのだろうか。振り返ってみたい。

 秋田県の高校出身者で初めてドラフト1位指名を勝ち取ったのは、山田 久志(能代→富士鉄釜石→1968年阪急1位)だった。山田は1967年に西鉄から11位指名を受けるも入団を拒否。翌1968年に阪急から1位指名を受け入団し、アンダースローの最高峰として通算284勝をマークした。

 その他では藤田 太陽(新屋→川崎製鉄千葉→2000年阪神1位)、佐藤 剛士秋田商→2004年広島1巡目)、そして木村 雄太(秋田経法大附→東京ガス→2008年ロッテ1位)がいる。藤田は156試合に登板し13勝を挙げたが、木村は47試合の登板でわずか1勝とプロの世界では力を発揮することはできなかった。高卒からのプロ入りだった佐藤はわずか1試合のみの登板に終わっている。

 現役選手では今年41歳になったベテランの石川 雅規(秋田商→青山学院大→2001年ヤクルト自由枠)が奮闘している。今シーズンもすでに3勝をマークし、通算の勝ち星を176にまで積み上げた。その他では石川のチームメートである石山 泰稚(金足農→東北福祉大→ヤマハ→2012年ヤクルト1位)、その石山と母校が同じ吉田 輝星金足農→2018年日本ハム1位)も現役でプレーしている。

 石山は前半戦でやや苦しんだものの、後半戦は一軍スタート。信頼を勝ち取り復権を目指している。甲子園準優勝投手の吉田はルーキーイヤーに初勝利をマークするも、その後は勝ち星を挙げることができていない。今シーズンは1試合の登板で2回7失点(自責2)と苦戦中。二軍で結果を残し、再度一軍の座をつかみ取りたいところだ。

 はたして風間は吉田以来となる秋田県の高校出身者によるドラフト1位指名を勝ち取ることができるだろうか。今後の登板も見守りたい。

<秋田県の高校出身者のドラフト1位指名>※自由獲得枠含む

山田 久志(能代→富士鉄釜石→1968年阪急1位)
武藤 一邦(秋田商→1976年南海1位)※入団拒否
高山 郁夫(秋田商→1980年日本ハム1位)※入団拒否
藤田 太陽(新屋→川崎製鉄千葉→2000年阪神1位)
石川 雅規(秋田商→青山学院大→2001年ヤクルト自由枠)
佐藤 剛士秋田商→2004年広島1巡目)
木村 雄太(秋田経法大附→東京ガス→2008年ロッテ1位)
石山 泰稚(金足農→東北福祉大→ヤマハ→2012年ヤクルト1位)
吉田 輝星金足農→2018年日本ハム1位)

※数字は2021年8月15日終了時点