【準硬式】東海大菅生、横浜隼人など!強豪校出身選手たちが続々全国へ!
準硬式では専修大学が日本大学から勝利もぎ取る!
全日本大会への出場を決めた専修大学
東都リーグに所属する日本大学と専修大学。この春のリーグ戦では優勝を決める直接対決が繰り広げられ、日本大学が勝利して2部優勝。勢いそのままに1部昇格を果たしたが、両校は互いに切磋琢磨をしあう間柄だ。その関係性は準硬式でも変わらない。
春季リーグ戦では両校の対戦成績は1勝1敗と互角の戦いぶりだった。リーグ戦の最終順位を見ても日本大学2位、専修大学3位とわずかな差で日本大学が上回ったものの、実力は拮抗している。良きライバル関係といっていいだろう。そんな両校のリーグ戦で対戦してから約2か月後、今度はリーグ優勝ではなく、全国大会への出場権をかけた戦いで再び相まみえた。
試合は、序盤から日本大学は3番・中島 健輔(日大鶴ヶ丘出身)のタイムリーで先制に成功する。一方の専修大学も、相手バッテリーミスですぐさま同点に追いつく。
立ち上がりから1点ずつを奪うなかで迎えた3回、専修大学8番・西川 舜悟(東海大菅生出身)がセンター前でチャンスを作る。その後、日本大学のバッテリーミスなどで専修大学が2点を追加して3対1とすると、5回にも1点を追加して専修大学リードで試合を折り返した。
追いつきたい日本大学は6回、途中出場の福村 厳輝主将(磐田南出身)のタイムリーなどで3点追加して4対4と振り出しに戻す。だが、専修大学が直後の7回に2点を追加して6対4と再び勝ち越すなど、終盤は点数の取り合う展開となった。
8回終わって9対5と依然専修大学がリードしたまま最終回、日本大学は執念で9回に2点を取り返し、専修大学に食らいつく。最後までリーグ2位の意地を見せたが、あと一歩届かず。専修大学が9対7で勝利して、全日本選手権の出場権を勝ち取った。
だが、同じリーグに所属しており、順位もはっきりしている。そんな状況であるにもかかわらず、なぜ再び戦う必要があったのか。
全国大会出場への道のり
全日本大会へ出場する明治大学
準硬式野球界にとっての最大の大会は、8月に開催される全日本選手権大会だ。各地区の精鋭が集まり、大学準硬式の日本一を決める熾烈極める大会である。その大会への出場権をかけて、関東地区では毎年6月に予選会を開催している。例年は関東地区に所属する5リーグの上位2チーム(今年は東都リーグのみ3月の関東選手権を優勝した中央大学を除く2、3位チーム)に出場権が与えられるが、今年は3月の関東選手権で準優勝した國學院大学も含めた合計11チームに予選会へ出場した。
各リーグの1位校、國學院大には2回。2位校には1度だけ全日本選手権への出場チャンスがあるトーナメント形式の真剣勝負となっており、今年は2年ぶりの開催とあって例年以上に白熱の試合が繰り広げられた。
リーグ戦は東都2部の2位だった國學院大は、国士舘大学世田谷と対戦して、試合は8回まで4対4の接戦。1点争う試合展開の中、先攻の国士舘大学世田谷が松本祥輝(横浜隼人出身)の一打で一時勝ち越すも、國學院大學が土壇場で上田 陽介(足立学園出身)のサヨナラ打で全日本大会出場をたぐりよせた。
東京六大学1位の法政大学も日本大学と8回まで同点だったが、最終回に鈴木 歩夢(明星出身)のホームランで下して勝利した。そして神奈川リーグ1位の神奈川大学は、埼玉大学戦で平子翔太(弥栄出身)の3安打3打点の活躍など10対0の5回コールド。終始神奈川大学ペースで埼玉大学を突き放して、全国の切符を掴んだ。
この時点で、國學院大、法政大、神奈川大の3校は全日本選手権大会の出場を決めた。一方、敗れた国士舘世田谷、日本大学、埼玉大学は2度目のチャンスに望みを託し、各リーグの2位校が待つ2次トーナメントに回った。
8校によって行われた2次トーナメントでは国士舘世田谷は創価大学、日本大学は宇都宮大学に勝利して決勝戦に駒を進めた。また明治大学は関東学院大学、専修大学は埼玉大学を下して全日本選手権に王手をかけた。
そこで、日本大学と専修大学の対戦が実現して、専修大学が全国の切符を掴んだ。また明治大学と国士舘世田谷の対戦は、明治大学が10対0のコールドで勝利した。これで全日本選手権大会には下記の6校が関東地区から出場することになった。
<全日本大会出場校>
・中央大学
・國學院大學
・専修大学
・法政大学
・明治大学
・神奈川大学
敗者のままにしない準硬式ならではの全国大会
清瀬杯への出場となった日本大学の福村 厳輝主将
本来であれば、これで予選会は終了となるが、準硬式は少し違う。敗者をそのままにするのではなく、違う形でチャンスを与える仕組みが存在している。それが清瀬杯と呼ばれるもう1つの全国大会、いわば敗者のための全国大会だ。
9月に開催されているこの大会への出場権は、2次トーナメント決勝で敗れた2チーム。そして最後の最後のチャンスとして開催される敗者復活トーナメントで勝利した2チームの合計4チームに与えられる。
専修大学に敗れた日本大学や、明治大学に敗れた国士舘世田谷にはもちろん出場権が与えられる。ただ、清瀬杯は全日本選手権大会と同じ全国区の大会であっても、位置づけは低い。そのため、なかには新チームとなって清瀬杯を迎えられるチームも多い。
日本大学は何度も全日本選手権大会で優勝実績があり、リーグ戦では専修大学よりも上位だった。しかし、一発勝負で惜敗し涙を飲み、もう一つの全国大会に回る。全日本選手権大会での優勝を目標にする日本大学にとっては、清瀬杯出場は本来の目標ではないだろう。
だがしかし、清瀬杯で優勝を勝ち取り、来年の全日本選手権大会で優勝を飾れば、この敗戦はチームを成長させる大きな意味をもたらすに違いない。準硬式ならではの清瀬杯で有終の美を飾ることが、彼らの人生においても、準硬式界にとっても輝かしい栄光の一ページになることは間違いない。
<清瀬杯出場校>
・日本大学
・国士舘大学世田谷
・関東学院大学
・埼玉大学