”左腕大国”DeNAで松本 隆之介(横浜)、高田琢登(静岡商)の高卒2人はチャンスを掴めるか
高田琢登(静岡商)
今年もあと1ヶ月となった。各球団ともに10月に行われたドラフト会議で指名した選手たちとの仮契約が進んでいる。
今シーズンの4位から三浦大輔新監督体制で巻き返しを狙うDeNAは、ドラフト1位の入江 大生(明治大)、同2位の牧 秀悟(中央大)ら上位指名選手たちが仮契約に合意。着々と来シーズンへ向けた準備を行っている。
そんなDeNAのドラフト指名選手を見ると、ドラフト3位の松本 隆之介(横浜高)、同5位の池谷 蒼大(ヤマハ)、同6位の高田 琢登(静岡商)と3人の左腕が名を連ねている。
今永 昇太(駒沢大)や濱口 遥大(神奈川大)らに頼もしい後輩たちが加わった。池谷は社会人出身だが、松本と高田のふたりは高卒ルーキー。まずは体を作ってから、一軍昇格を目指すことになりそうだ。
現在のDeNA投手陣を見ると、今永や濱口、そして東 克樹(立命館大)に坂本 裕哉(立命館大)といった先発投手陣。そして中継ぎで奮闘する石田 健大(法政大)と左腕は多い。その各選手たちの出身を見ると、ここに挙げた投手たちはいずれも大卒でプロ入りを果たしている。
一方、高卒でプロ入りを果たした支配下契約中の生え抜き左腕は、櫻井 周斗(日大三高)と砂田 毅樹(明桜高)のふたりだけ。大卒左腕は多く揃っているものの、高卒左腕は少ないのである。
砂田は2017年に62試合、2018年には70試合と中継でフル回転した。しかし、2019年は16試合、今シーズンは17試合と一軍での登板機会は大きく減らしている。櫻井は今シーズン3試合(先発1試合)の登板で防御率7.36と不本意な成績に終わった。いずれも来シーズンは巻き返しを図ることになる。
その他では現在、育成契約中の田中 健二朗(常葉菊川高)が2016年、2017年と2年連続で60試合以上に登板しフル回転した。しかし2019年にトミージョン手術を受けており、ここ2年は一軍・二軍ともに登板がない。
今永ら多くの大卒左腕が結果を出しているにも関わらず、高卒の左腕が結果を出し切れていないのは少し物足りない。とくに先発投手では野村弘樹(PL学園)以降、高卒左腕の活躍者が生まれていないのは気がかりだ。
はたして高卒左腕の松本、高田のふたりは大先輩でもある野村を超えるような結果を残すことができるだろうか。
(記事:勝田 聡)