初回に死球受けるも意地の1安打 国士舘・齋藤光瑠は甲子園で集大成見せる!
齋藤光瑠(国士舘)
勢いに乗る佼成学園の前に9回に逆転を許し、3対4で敗れた国士舘。秋の東京王者として挑んだ今大会はベスト4というところで終わった。8月10日からの甲子園交流試合に出場するため、最後の試合までまだ日にちはあるが、人並み以上に強い想いで準決勝に臨んだのが齋藤光瑠だ。
4番・ライトでスタメン出場。試合前日に永田昌弘監督に4番起用を明言されたが、「打順は関係ないと言われましたので、あまり気にせずに緊張はしませんでした」と平常心で戦った。
しかし、初回に向かえた第1打席で右ひじ付近に死球を受ける。一度治療で連盟のトレーナーに確認してもらうと「やめておいた方がいい」と交代を勧められた。だが齋藤は「ここまで来たら自分の中では『やるしかない』と思っていました」と覚悟をもってプレーを続行。同時に「勝っても決勝戦は難しいかもしれない。けど勝ちたかったので下がるわけにはいきませんでした」と語る。
右肘付近にまかれたテーピングを見ればその痛さは伝わってくる。実際に右腕は上がりにくい状態だったが。齋藤は4打席で2打数1安打。打点はつかなかったが、チームの勝利のために懸命にバットを振って食らいついた。
冬場は飛距離アップを求めて練習に取り組み続け、春先からは「チームに貢献するために、繋ぎの一本を打つ」ためにミート力向上に努めた。元々高い位置にバットを構えるのが特徴的な齋藤だが、そのベストな位置を探り続けるなどフォームの改善には余念がなかった。
その成果が出たヒットではあったが、チームは敗れた。残すは聖地・甲子園で15日に磐城との戦うのみとなった。
「東京で一番長く野球ができますので、出られない人たちの分まで笑顔で全力プレーをしたいと思います」
新チームスタート時は「弱い」と言われ不安を抱えながら戦い、チームワークを武器に1年間駆け抜けた。その集大成となる甲子園交流試合で齋藤が笑顔でプレーをする姿を見られるのを楽しみにしたい。
(記事=河嶋宗一)
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