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清宮を輩出した調布シニアでベンチ外、控え選手が高校でドラフト候補、主力投手として次々と活躍

2020.07.25

清宮を輩出した調布シニアでベンチ外、控え選手が高校でドラフト候補、主力投手として次々と活躍 | 高校野球ドットコム
左から松崎公亮(聖徳学園) 中西健登(国士舘)森畑侑大(創価) 石井颯人(専大附)

 高校通算最多本塁打記録保持者の清宮幸太郎早稲田実業-北海道日本ハム)など名だたる選手を輩出したことで有名な調布シニア。

 今回、紹介したいのは調布シニア出身の選手が西東京の主力投手となって活躍していることである。まず秋優勝に導いた国士舘のエース・中西健登
最速146キロ右腕・森畑侑大聖徳学園の140キロ右腕・松崎公亮、そして専大附の二刀流・石井颯人の4人である。

 この4人はバリバリの主力だったわけではない。実は投手ではなかったり、ベンチ外や控え選手というのがほとんどだった。

 まず国士舘中西健登は中学生の時は外野手や捕手で、投手の経験はなかった。それでも国士舘の永田昌弘監督は、投手としての素質を見抜いていた。「まず体型。それに脚力も高く、体重が増えれば、スピードもつくはずですから」と永田監督は投手転向の要因を語る。

 永田監督は中西に投手転向を勧めると、「やります」と即答したという。

 秋季都大会で帝京などを苦しめたシンカーは元西武の潮崎哲也の握りを参考にし、グラブを持つ左手の使い方は、ダルビッシュ有(カブス)のフォームを参考に安定感が増し、準決勝、決勝では2試合連続完封を果たすなど、西東京屈指のサイドハンドへ成長した。

 創価の森畑も中学時代、本人によると位置づけは6番手投手。それでも片桐監督はスピードはなくても手足が長く、バランスが良くて動きに癖もない。また体にバネもあり、キャッチボールでもスピンの効いたボールを投げている姿に大きな可能性を感じていたようだ。

 片桐監督の目論見通り、最速146キロを計測するまでに成長。見事に西東京を代表する投手へ成長した。

 また、松崎公亮は中学時代、外野手だったが、レギュラーではなかった。今では140キロを超える速球を投げるまでに成長し、高いステージも狙える投手となった。

 専大附の石井は中学3年の時にトミージョン手術を経験しており、ほとんどがベンチ外だったようだ。1年間のリハビリを経て、高校では外野手として活躍。高校2年冬頃から投手をはじめ、1回戦の都立第四商戦では高校通算7号となる3ランを放った。パワフルなスイングから鋭い打球を飛ばす好打者だ。投手としても130キロ近い速球を投げ込む。

 中学時代はベンチ外や控え選手でも、逆転できるチャンスはある。今回、中西、森畑の例を見ればわかる通り、現時点の能力が低いから、見捨てるのではなく、体ができれば、活躍できるという先見性を持った指導者に恵まれたことだ。逆に言い換えれば、指導者は「こうすれば伸びる」という選手を見出す眼力が問われるのではないだろうか。また都内屈指の投手へ成長した中西、森畑は探求心豊かな姿勢があったことも見逃せない。

 今後も彼らの4人の活躍とともに当時主力だった選手の活躍にも期待したい。

<当時の調布シニアの主力選手>
投手 中村真也専大松戸
内野手 若井大陽つくば秀英
内野手 吉沢悠佑東海大相模
 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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