活動自粛が進む中高校野球界に進むSNS活用の流れ!
新型コロナウイルスの影響でほとんどの学校が活動を自粛。指導者と選手たちがグラウンドで練習ができない日々が続いている。当たり前のように練習できていた日々が失われ、各個人でできる範囲の練習をせざるを得ない環境に、電話取材を通じて戸惑いや不安を隠せない声が多く聞こえた。
そんな中、選手たちとコミュニケーションをとるためにSNSを活用しているチームが多いことに気が付いた。現代社会では多くのSNSアプリが流行しているが、なかでも多かったのがLINEを使ってのコミュニケーションだ。
以前から取材でチームに伺うとLINEを使っているところはいくつかあった。関東大会8強に入った西武台や、茨城県の名門・土浦日大、さらには大阪府大会で昨秋3位に入った初芝立命館などの強豪校が普段から使われているところがあった。
しかしあくまで連絡事項や情報共有など、指導者から選手たちに向けての一方向で使われるケースが多かった。だが、今回の事態を受けてLINEを活用して選手たちとコミュニケーションを取り始めるチームが増えた。
北信越地区の21世紀枠推薦校の候補校に上がった敦賀は、以前から選手たちの相談を受けるのにLINEを活用。また、北海道の札幌国際ではLINEグループを作成して、選手たちとの状態を把握するようにしている。
さらに昨夏は大阪桐蔭を破った金光大阪でも監督と選手が同じグループで、練習メニューの提供。また野球ノートに書いた内容をLINEで共有しあうなど、様々な方法で監督が選手と直接やり取りをされているところもある。ただ直接ではなく、選手に向けて伝えたいことを主将を通じて伝えてもらうために、LINEを使うチームもある。
その中でLINEで練習映像や写真を監督へ送り、指導や相談をする選手もいるとのこと。実際に都内屈指の進学校・都立新宿ではLINEで送ってもらった映像を動作解析して、指導をするハイテクな指導を繰り広げているところも存在する。映像を共有できることで、言葉や文字では伝えきれない情報を視覚で認識することができる。そこにLINEを使うことの最大のメリットがあるようだ。
そんなLINEとは別に新たにZoomと呼ばれるアプリを活用し始めた学校も現れた。4月7日から休校に入っている愛知県の豊野では4月13日からZoomの運用をスタート。元々、Twitterのアカウントを持つなどSNSにも力を入れてきた学校だったが、LINEを使ってフォームの確認をしてきた。
しかしZoomで「全員が一斉にコミュニケーションが取れますし、1年生もチームの雰囲気を理解してもらえる」と授業に近い形でチーム全員とやり取りができることに大きなメリットを感じている。
豊野だけではなく、他にもTwitterのアカウントを持っていたり、Zoomを活用するなど、全国各地でSNSを活用した新たなコミュニケーションの取り方が確立されつつある。2020年は球数制限などルールにも大きな改正があったが、指導という面においても1つの変革期を迎えているのではないだろうか。
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