伊香 選抜出場ならず エース・隼瀬「切り替えて、夏に向かって」
選手たちに語りかける小島義博監督
24日に第92回選抜高校野球大会の出場校32校を決める選考委員会が行われた。21世紀枠の近畿地区候補に挙がっていた滋賀の伊香は補欠校1位という選考結果になり、33年ぶりの甲子園はあと一歩届かなかった。
午後3時、山田薫校長は緊張した面持ちで選出を知らせる大会本部からの電話を待っていたが、受話器がなることはなく、ほどなくして補欠校1位になったことが伝えられた。
その後、山田校長はグラウンドにて野球部員に選考結果を報告。「みんなは夏に向けての情熱や意気込みは持っていると思います。夏の大会では実力で突破し、甲子園を目指してほしいです」と選手たちを激励した。
「秋の近江戦と同じであと1点届かなかったなという気持ちです。やっぱり簡単には勝てませんし、その1点がどれだけ遠いかを感じさせられる1日だったかなと思います」と語った小島義博監督。秋の近畿大会出場まであと1勝に迫った準決勝では近江に延長11回の末、0対1でサヨナラ負け。夢舞台までのあと一歩が遠かった。
伊香は地域住民の尽力で開校した歴史もあり、伝統的に地元との繋がりが深い学校だ。冬場には野球部員が学校周辺の除雪作業を行うなど、地域貢献に取り組んできたことも高く評価されていた。主将の竹原壮吾(2年)は地元への想いをこう語ってくれた。
「地域の方々は自分たち以上に甲子園に行くことを期待して下さっていました。残念ながら選ばれませんでしたが、地域の方々のためにも結果を残せるように頑張っていきたいと思います」
好投手として注目されていたのが140キロ右腕の隼瀬一樹(2年)。父の大典さんは33年前に同校が春夏連続で甲子園に出場した時の野球部員だった。親子2代での甲子園出場は夏に持ち越しとなったが、「切り替えて、夏に向かってチームが前に進んでいけるようにしたいです」と既に前を向いていた。
秋は初戦で滋賀学園に完封勝利、準決勝では近江と互角の戦いを繰り広げて、旋風を巻き起こした伊香。春以降も滋賀の高校野球を盛り上げる存在になることを期待したい。
(取材=馬場 遼)
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