2年生で”甲子園優勝投手”となり、ヒーローとなった高橋光成(前橋育英ー埼玉西武ライオンズ)!
高橋光成(前橋育英)
1月16日はヒーローの日。ということで今回は2年生エースとして群馬の前橋育英を牽引し、同校の夏の選手権初出場初優勝の立役者となった高橋光成の活躍を振り返る。
今季プロ5年目にして自身初の二桁勝利を果たしリーグ2連覇に貢献した、埼玉西武ライオンズの高橋光成。高橋光成と言えば、やはり”甲子園優勝投手”というイメージの人は多いだろう。群馬県沼田市出身の高橋光成は、中学は軟式野球部に所属。中学の先輩の影響で前橋育英に入学すると、1年夏からベンチ入りを果たし、2年夏にはチームのエースとして、夏の甲子園に出場。1回戦の岩国商戦で9者連続含む13奪三振、完封という見事な成績で一躍脚光を浴びた。
188センチ、85キロと恵まれた体格から投げ下ろす140キロ後半の直球と、決め球の縦に落ちるスライダーを武器に2年生ながら初の甲子園の舞台で次々と打者の打ち取っていく。荒井直樹監督は当時の高校野球ドットコムの取材にて、「話し方とかを聞いていると、たどたどしくて心配になるところがあるのですが、意外と自分で考えることができる選手なんです」と彼のひととなりを表現し、芯の強さを見出していた。その強さが2年生ながら大舞台での躍動に拍車をかける。
二回戦樟南戦でも1対0の投手戦を見事完封。続く3回戦では名門横浜を相手に1失点完投。
準々決勝の常総学院戦は記憶に残る伝説的な試合となった。2点を追う9回2死から敵失と板垣と高橋自身の長打2本で土壇場で同点に追いつき、延長10回に劇的サヨナラ。この試合で高橋光成は5回から登板し、5イニングで10奪三振、0失点で好リリーフ。勢いに乗った前橋育英と高橋は準決勝日大山形戦では1失点完投し、初の決勝へ。
延岡学園との決勝では3失点完投。前橋育英1点リードで迎えた9回裏二死、連戦連投の疲労困憊の中、ウイニングショットを投げ終え最後の打者を三振に打ち取る。その直後、安堵しながらも喜びを表現し、仲間の輪の中心で揉まれる彼の表情は多くの人の記憶に刻まれているであろう。高橋は決勝戦を含め、6試合のうち5試合で完投し、5失点、自責点2と好投。前橋育英は甲子園初出場初優勝という偉業を成し遂げ、高橋光成は2013年の甲子園の1番のヒーローとなった。
大きな期待を背負い迎えた高校3年の高校野球ラストイヤーは、春は選抜出場を逃し、最後の夏は3回戦で”機動破壊”で一世を風靡した健大高崎に敗れ最上学年での甲子園出場はできなかった。甲子園後、2年連続でU18日本代表に選出され、岡本和真(智弁学園)、岸潤一郎(明徳義塾)らと共に18アジア野球選手権大会準優勝に貢献した。
その後ドラフト1位で埼玉西武ライオンズに入団し、5年目を迎えた今シーズは、先発ローテーションの一角として、菊池雄星(現シアトル・マリナーズ)が抜けた先発陣を鼓舞する活躍を見せた。今季の飛躍を来シーズンにも繋げ、プロの世界でも主役としての活躍を期待したい。
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