シンプルな打撃で確実性が向上 写真で見る海老根優大(京葉ボーイズ)が打撃の見せた変化
本塁打を海老根優大(京葉ボーイズ)
打った瞬間、スタンドインを確信させるほどの当たりだった。
カウントノーストライクツーボールからの3球目、甘く入った直球を日本代表の5番・海老根優大(京葉ボーイズ)は見逃さず、レフトスタンド中段まで運ぶ本塁打を放った。
11月22日、U-15アジアチャレンジマッチの松山市選抜戦、貴重なソロホームランを放った海老根は、試合後「取りに来た真っ直ぐをしっかり打つことができました」と語り、自らの打撃に納得の表情を見せた。
実は中学野球最後の大会となったジャイアンツカップ2019で、海老根はその実力を十分に発揮することが出来ないまま敗退していた。ジャイアンツカップで見せた海老根の打撃は、必要以上に力む姿が目に付き、長打を意識するあまりしゃくり上げるようなスイングの「クセの強いフォーム」であった。
だが、この日の海老根はこれまで悪癖となっていた点に改善の意思が見えてシンプルな打撃フォームになっており、コンパクトにボールを捉えることができていた。
ジャイアンツカップの写真を見ると、まず構えの際に右肘が深く上がっており、バットのヘッドもピッチャー方向へ向いていた。それでいながらインパクトではバットが下から出ていることが見て取れ、無駄な動きが多くスピードボールへの対応が難しいフォームであった。だがU-15アジアチャレンジマッチでは、右肘の上がりやヘッドが投手方向を向いているクセが軽減されており、バットも上から叩くようなスイングが出来ていた。
海老根優大のジャイアンツカップでの構え(左)とU-15アジアチャレンジマッチでの構え(右)
これについて海老根は「夏はプレッシャーを感じるものがあって、今回は打順も5番なので気持ちが少し楽でした。京葉ボーイズでやる方が、チームのためにという意識が強かったので、(今日は)気楽に楽しむことができました」と話し、強いプレッシャーが必要以上の力みに繋がっていたとを明かした。
大会はまだ2試合を残してるが、海老根は残りの試合でも結果を残して、高校野球に向けて勢いをつけたいと語る。
「今日は試合の入りが悪かったですし、自分はしっかり声を出していかないといけない立場だと思うので、しっか声を出して優勝に向けて頑張って行きたいと思います」
中学球界を沸かせる稀代のスラッガーが、中学野球最後の試合でどこまで可能性をしめすころとができるか注目だ。
(記事=栗崎 祐太朗)