奥川、佐々木…4年ぶりに高校生投手の競合となるか?
履正社高校の優勝で幕を閉じた第101回全国高校野球選手権大会(以下、夏の甲子園)。プロ野球を目指す選手たちはおよそ2ヶ月後に開催されるドラフト会議へ向け、新たなスタートを切ることとなる。
今年の高校生でドラフト1位候補として名前が挙がるのは、大船渡高校の佐々木朗希、そして星稜高校の奥川恭伸のふたりである。
森下暢仁(明治大)ら即戦力候補とされる投手がいるなかで、どれだけの球団が佐々木や奥川に入札をするのかは気になるところだろう。
2016年以来3年ぶりに高校生投手へ人気が集まる予感
佐々木朗希(大船渡)※提供=共同通信社
さて、近年のドラフト会議において、高校生の投手が1回目の入札で競合したケースはあるのだろうか。2011年以降のドラフト会議を少し振り返ってみたい。
1年前となる2018年は高校生に人気が集まったものの、すべて野手。投手への1回目での入札は0だったのである。大阪桐蔭高校の根尾昂(中日)は内野手として、「カナノウ旋風」を巻き起こした金足農業高校の吉田輝星(日本ハム)はハズレ1位での入札だった。
直近で高校生投手への1回目入札があったのは2016年のこと。寺島成輝(履正社高校→ヤクルト)、藤平尚真(横浜高校→楽天)、今井達也(作新学院高校→西武)と同年夏の甲子園をわかせた投手たちが一本釣りされている。
一方、単独ではなく競合となったのは2011年以降で5例ある。
2015年の高橋純平(県岐阜商→ソフトバンク)、2014年の安樂智大(済美高校→楽天)、2013年の松井裕樹(桐光学園高校→楽天)、2012年の藤浪晋太郎(大阪桐蔭高校→阪神)と森雄大(東福岡高校→楽天)である。なかでも松井は5球団競合と大人気だった。
ここ2年は同じ高校生でも野手に人気が集まったドラフト会議だが、今年は2016年以来3年ぶりに高校生投手へ人気が集まりそう。また、2015年以来4年ぶりに競合する可能性も高い。
はたして佐々木や奥川にはどれだけの球団が入札するのだろうか。これからおよそ2ヶ月間、各球団の動向から目が離せない。
【高校生投手への1巡目・1回目入札】
<2018年>
なし
<2017年>
なし
<2016年>
寺島成輝(履正社高校/ヤクルト)
藤平尚真(横浜高校/楽天)
今井達也(作新学院高校/西武)
<2015年>
高橋純平(県岐阜商/◎ソフトバンク・日本ハム・中日)
<2014年>
安樂智大(済美高校/◎楽天・ヤクルト)
松本裕樹(盛岡大付/ソフトバンク)
髙橋光成(前橋育英高校/西武)
<2013年>
松井裕樹(桐光学園高校/◎楽天・ソフトバンク・中日・DeNA・日本ハム)
<2012年>
藤浪晋太郎(大阪桐蔭高校/◎阪神・ヤクルト・ロッテ・オリックス)
森雄大(東福岡高校/◎楽天・広島)
※◎は交渉権獲得の球団
文=勝田聡