「ドラフト下位指名✕ご当地選手」今野龍太がプロ初勝利
5月17日のイースタン・リーグでファンにはたまらない継投があった。[stadium]ウェルファムフーズ森林どりスタジアム泉[/stadium]で行われた楽天対西武の試合。楽天は故障で離脱中の岸孝之が先発。7回無失点、被安打2、奪三振7(83球)と上々の投球内容を見せ、復帰まで秒読み体制となった。
そして8回からマウンドに登ったのは由規である。昨シーズンオフにヤクルトを自由契約となり、育成契約で楽天へと移籍。故障からの復帰を目指しながら奮闘している。
この日が移籍後初登板となったが、2回無失点。最速は151キロをマークし、スライダーでストライクを奪うこともできた。7月31日までの支配下登録期限までなんとかアピールを続けていきたいところだ。
好投を見せたふたりだが、岸は名取北高校、そして由規は仙台育英高校と楽天のお膝元である宮城県の出身である。そんなふたりが、二軍戦とはいえ地元で行われた試合で継投リレーを見せたのはファンにとっても大きな喜びだろう。
故障で育成契約も経験
岩出山高校時代の今野龍太
岸と由規が好投を見せたその翌日(18日)には、もうひとりのご当地選手が結果を残した。宮城県・岩出山高校出身の今野龍太である。
今野は2013年ドラフト9位で楽天入り。高卒ながら1年目に一軍登板を果たしていたが、故障もあり2年目とのオフに育成契約へと以降。2017年から再び、支配下登録を勝ち取っていたが、昨シーズンまで勝ち星に恵まれていなかった。
しかし、今シーズン初登板となった5月15日の日本ハム戦で中継ぎとして3回無失点。18日の試合でも2回を無失点に抑える好投を見せる。味方打線の援護があり、この試合でプロ初勝利を手に入れたのである。
岸や由規はアマチュア時代から話題となり、ドラフトでも上位指名でプロ入りを果たしている。当初から楽天に入団したわけではないが、地元の期待もひときわ大きかった。一方の今野はドラフト9位という指名順位からもわかるとおり、大きな期待を背負っての入団というわけではない。
このような選手が一軍で結果を残す姿も地元の人々にとって、嬉しいことなのではないだろうか。
ドラフト下位指名のご当地選手、育成契約を経ての復活。ファンがますます増えそうな要素が盛りだくさんである。今野が地元の星から全国区となる日を楽しみにしたい。
文=勝田聡